...――この雲煙の濃淡をご覧なさい...
芥川龍之介 「秋山図」
...淡白(あはじろ)き吹上(ふきあげ)の水のごと...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...世間の冷淡を憤(いきどお)り...
江戸川乱歩 「江川蘭子」
...中から淡巴菰を撮(つま)みだして煙管に詰め...
田中貢太郎 「涼亭」
...淡路のは女形でも眼瞼(まぶた)が開いたり閉じたりしますと...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...という風な顔をしてとも子は冷淡にぶっきら棒に頷いた...
戸田豊子 「歩む」
...しかし日本の空気の是非なさは遠近を区別すべき些少(さしょう)の濃淡をもつけないので...
永井荷風 「深川の唄」
...淡墨でしかも相当墨を淡くして描く方が有利であることは直(す)ぐ分ったが...
中谷宇吉郎 「南画を描く話」
...その健康に多少支配されなければならない彼の精神状態にも冷淡ではあり得なかった...
夏目漱石 「行人」
...多分来ないだろうとは思うんですが」「大変冷淡じゃありませんか」夫人は嘲(あざ)けるような笑い方をした...
夏目漱石 「明暗」
...そこには高い柱の頂上から降りそそぐ淡紫色の夢のやうな電燈の光が此の世のものとも思へないやうな影を落して無數の亡者どもの蠢(うごめ)きを描き出してゐたが...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...練太郎は思ひの外恬淡(てんたん)で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...食糧としては、小麦粉十箱、淡水二樽、葡萄酒六樽、ほかに海水に濡れた乾麺麭が一袋あったが、それは最初の昼食でなくなってしまった...
久生十蘭 「海難記」
...割に淡い味なので飽きが来ない...
古川緑波 「甘話休題」
...延享中に淡淵は年四十に垂(なんなん)として芋生から名古屋に遷つた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...モンテーニュは子供に対して冷淡であったと非難されるが...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...淡墨色(うすずみいろ)にまるく染(そ)めた葵(あおい)の紋(もん)の旗(はた)じるしとが目あたらしく翩翻(へんぽん)としている...
吉川英治 「神州天馬侠」
...そのカバレット・トア・ズン・ドルの淡い憶(おも)いがネムの花に夢のように...
吉行エイスケ 「孟買挿話」
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