...赤々として暮れかゝる入日の影は牡丹花(ぼたんか)の眠れる如くうつろひて...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...牡丹花(ぼたんか)の面影のこし崩(くず)れけり五月九日楠目橙黄子(くすめとうこうし)を悼(いた)む...
高浜虚子 「五百五十句」
...棺(ひつぎ)の前には牡丹花(ぼたんのはな)の燈籠の古くなったのを懸(か)けてあった...
田中貢太郎 「牡丹燈籠 牡丹燈記」
...丹花のくちびるふようのまゆたまをあざむくばかりにて...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...殊に牡丹花紅白數株ありて各妍を競ふ...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...風前の牡丹花にもまさりて危くいたましくまたやさしき限りなり...
永井荷風 「葡萄棚」
...丹花(たんか)の唇は耳まで裂けた」「鬼になった...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼が晩年に殘した桐戸二枚の大きな牡丹花が...
長谷川時雨 「「郭子儀」異變」
...そして何よりも――眠れる獅子王(ししおう)の傍に咲く牡丹花(ぼたんか)のような容顔...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...牡丹花肖柏が出入したらしい...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...おぬひは桂次が未來の妻にと贈りものゝ中へ薄藤色の襦袢の襟に白ぬきの牡丹花の形(かた)あるをやりけるに...
樋口一葉 「ゆく雲」
...おぬひは桂次(けいじ)が未來(みらい)の妻(つま)にと贈(おく)りもの中(なか)へ薄藤色(うすふぢいろ)の繻袢(じゆばん)の襟(ゑり)に白(しろ)ぬきの牡丹花(ぼたんくわ)の形(かた)あるをやりけるに...
一葉女史 「ゆく雲」
...夢見るような瞳は夜(よ)の華か! 丹花の唇はほのかに綻(ほころ)び...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...丹花の唇(くちびる)は厳恪(げんかく)にふさぎたれどもたけからず...
三宅花圃 「藪の鶯」
...居睡りをしているのか?「牡丹花下の睡猫(すいみょう)は心舞蝶(ぶちょう)にあり」という油断のならぬ猫の空睡(そらね),ここへ花の露を慕ッて翩々(へんぺん)と蝶が飛んで来たが...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...「無礼しやるなッ」丹花の唇を洩れた御方の威ある声音...
吉川英治 「剣難女難」
...白衣(びゃくえ)は丹花(たんか)をちらしていた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...霜除(しもよ)けをかぶった牡丹花(ぼたん)のように...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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