...冬の光は冲天に流れて池面は数日来じめじめ淀んでゐるアカホの木は一つ古木ゆゑに杖のやうに気根をたよりその南の枝に烏は一羽 未だ地上に達しない光を貪ってゐる烏は ただ 黙々と村人たちの悲しい迷信の上に不可思議な運命をまじなひ樹下にたじろぐ二人三人の村人は木梢にうそぶく彼の運命の声に胸をおさへてゐるこのアカホの木に烏がなけば...
泉芳朗 「アカホの木」
...衛生兵等は感動の無い様子で黙々と仕事をつづけている...
梅崎春生 「日の果て」
...相変らず黙々としてズンズン歩いていった...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...黙々として終日机辺を離れなかつた...
種田山頭火 「松山日記」
...或は水牛の如く黙々として田畑を耕やし...
豊島与志雄 「砂漠の情熱」
...進むに従って消散する黙々たる物の横顔...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...黙々たるその修道院...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...絶対の従順をもって黙々と働いている...
永井隆 「この子を残して」
...それはさきほどから隅の方に黙々としていた机竜之助の声でしたから...
中里介山 「大菩薩峠」
...黙々と例の汚い茶色の風呂敷をひろげはじめた...
正岡容 「寄席」
...まるで心は肉体と一緒にぴったりとくっついたまま存在とはよくも名付けたと思えるほど心がただ黙々と身体の大きさに従って存在しているだけなのだ...
横光利一 「機械」
...黙々として谿を巻き林を覆うて浮動している霧の姿...
吉江喬松 「木曾御嶽の両面」
...淡い夕月――玄徳は黙々と広い野をひとりさまよってゆく...
吉川英治 「三国志」
...ただの婦女子の世間ばなしと、それを後ろで聞きながら、黙々と、あとに従っていた...
吉川英治 「私本太平記」
...黙々とやっていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...「おお、留守の者も、案じておろう……」老婆へは、近日、あらためて沙汰しようと約束して、彼は黙々と、そこを去ったのであった...
吉川英治 「新書太閤記」
...黙々と呼吸(いき)を整えながら...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...珍しく青めいたその日の日光とのなかに黙々として動いてゐるこの鱒とりの人たちがいかにも寂しいものに私の眼には映つた...
若山牧水 「渓をおもふ」
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