...鉛の塊のやうな鈍(にぶ)い悒鬱(いふうつ)がこの家の軒端まで漲つた...
有島武郎 「お末の死」
...もう憂鬱な顔をしてるじゃないか」「まだ憂鬱じゃないよ...
梅崎春生 「蜆」
...心の裡が寒々としてきた」山田にも鉱毒問題に対する鬱憤の気持はよく察しられた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...昔の作者たちの鬱屈は人ごとならず察せられたことであつた...
谷崎潤一郎 「「細雪」回顧」
...聊(いささ)か鬱憤(うっぷん)を晴らしに来たのさ」「御挨拶だわね...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...その憂鬱な表情をまだ何処やらに残しながら...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...ジェロントの快活はウェルテルの憂鬱(ゆううつ)を憤らせいら立たせるものである...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...この曲はチャイコフスキーの生まれながらの憂鬱(ゆううつ)の総勘定であり...
野村胡堂 「楽聖物語」
...高木鋭次郎は白状しないつて言ひますぜ」「さうだらう」平次は近頃すつかり憂鬱(いううつ)でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...五鬱陶(うっとう)しい日がつづきました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...何となく憂鬱なり...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...暗い額を持つた憂鬱な顏をしてゐた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...明の沈鬱(ちんうつ)な顔つきがその人を驚かせたらしかった...
堀辰雄 「菜穂子」
...少しも哭(な)かずに四辻に置くと鬱遮鳥が片付けて洲外に持ち去る...
南方熊楠 「十二支考」
...そのとき尊兄に憂鬱が腐れかかっている...
室生犀星 「聖ぷりずみすとに与う」
...彼の鬱気(うっき)も...
吉川英治 「私本太平記」
...正成が鬱陶(うっとう)しそうな片眼をすこし細めながら...
吉川英治 「私本太平記」
...おれたちの鬱憤(うっぷん)も因果はてきめん...
吉川英治 「宮本武蔵」
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