...右手かすかに霞む浅間まで...
石川欣一 「可愛い山」
...おぼろ/\と霞むまで...
泉鏡花 「紫陽花」
...霞む程遠くに見えています...
江戸川乱歩 「赤い部屋」
...太陽の打ち霞むブラッシで払いのけられてしまう鏡――太陽は光りのつや布巾である――そのうえに吐きかけられる息は痕(あと)をとどめず...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...花薫(はなかほ)り月霞む宵の手枕(たまくら)に...
高山樗牛 「瀧口入道」
...「八重だつ雲に世をへだて過しゝ月日いかなりし横雲わかるしのゝめにきくは雲雀の春の歌霞む川邊の夕暮に訪ふは菫の花の床...
土井晩翠 「天地有情」
...その霞む眉の下に...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...生え際の匂い、霞む眉、澄み渡る瞳、鼻筋が柔かに通って、唇の婀娜(あだ)めかしさは滴るばかり、第一、顔の色艶が活々として、人形とは思えない不思議な魅力があるのです...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...揺れる前髪へ、ほの白く霞む額、そして燃える瞳と、真紅に熟れた唇の前に、平次は眼をつぶって寂然と腕を拱ぬいているのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...碧(あお)い単衣(ひとえ)に赤い帯も印象的ですが、それよりもほの白く清らかな頬や、霞む眉や、少し脅えては居たが、聡明らしい眼が、突嗟(とっさ)の間ながら、平次に素晴らしい印象を与えてくれたのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...遙かに霞む末席の「銀座だより」という怪しげな花柳新聞の隣に加十の名札が放り出されていた...
久生十蘭 「魔都」
...橋は見霞む川下の村境ひのはてであつたから...
牧野信一 「繰舟で往く家」
......
槇村浩 「英雄ナポレオン」
...「長き日の」「のどかさの」「霞む日の」「炉(ろ)塞いで」「桜咲く」「名月や」「小春日の」等そのほか如何なる題にても大方つかぬといふはなし...
正岡子規 「墨汁一滴」
...商品として賣り出す村があつた(霞む月星)...
柳田國男 「食料名彙」
...宝塔仙館の甍(いらか)が霞む...
吉川英治 「新・水滸伝」
...郊外千里に霞む起伏の丘を四方(よも)に...
吉川英治 「新・水滸伝」
...そして、二人は、裳と裳を、曳き合って、「……ああら、ああら、ふしぎや、奇瑞(きずい)やな」と、唱歌しながら、「ひんがしの、空の曠野(ひろの)を、ながむれば――むらさきの、雲はたなびき――春野の駒か、霞むは旗か、つわものばらの、盈(み)ち満(み)つところ……」と、眼の眩(まわ)るほど、舞い連れ、舞いつづけ、「おお...
吉川英治 「平の将門」
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