...と思ふと又、木節の隣には、誰の眼にもそれと知れる、大兵肥満の晋子其角(しんしきかく)が、紬(つむぎ)の角通しの懐を鷹揚(おうやう)にふくらませて、憲法小紋の肩をそば立てた、ものごしの凛々(りり)しい去来と一しよに、ぢつと師匠の容態を窺(うかが)つてゐる...
芥川龍之介 「枯野抄」
...隣りでは裏口の戸を破れる程叩かれました...
伊藤野枝 「白痴の母」
...すぐその隣室へ入っていったときには...
海野十三 「地球を狙う者」
...令嬢の隣へ腰をおろした...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...隣家の者はおもがとおり一片(いっぺん)の世話であったから...
田中貢太郎 「車屋の小供」
...女なら納れるってね」東隣の男は燕児の言ったことを話した...
田中貢太郎 「蓮香」
...隣家では最早(もう)馬鈴薯(じゃがいも)を植えた...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...氣に入らなきア隣の空家へでも行つて見な...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...八五郎さんの縛られた部屋の隣」「よし...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...隣の番頭と張り合ってくれたのはありがたいが...
正岡容 「寄席」
...保昌(やすまさ)が力引くなり胴ふぐり其角(きかく)宝引や力ぢや取れぬ巴どの 雨青時宗が腕の強さよ胴ふぐり沾峩(せんが)などいふ句は争ふて縄を引張る処をいへるなるべく宝引やさあと伏見の登り船 山隣といふ句は各が縄を引く処を伏見の引船の綱を引く様に見立てたるならん...
正岡子規 「墨汁一滴」
...その隣の貧乏人は...
柳田国男 「年中行事覚書」
...隣を接することになるのは自然である...
柳田國男 「和州地名談」
...右隣りの富川十三夫と...
山本周五郎 「季節のない街」
...直ぐ隣室になっている廊下の突当りの轟氏の居室(いま)に這入(はい)った...
夢野久作 「二重心臓」
...隣りの女の湯舟にも誰か来て...
横光利一 「夜の靴」
...客は隣の広間へ移って...
吉川英治 「新書太閤記」
...……しかし久しい間、つい隣国に、こんど生(い)け捕(ど)りになった虎が穴居(けっきょ)しておりましたので、折々、好まぬ相手にもなっておりましたが」「虎と申せば、その虎もこのたびは、よくよく暴虎(ぼうこ)の野望も及ばぬことを知ったか、神妙に、頭を剃(そ)って、詫び入った...
吉川英治 「新書太閤記」
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