...さうして私の心は頻りに此無意識の讚美が一紙を隔てゝ運命と他力との信仰に隣することを思ひ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...しかもそれらは単に歴史的に時代を隔てて現われるのみではなく...
石原純 「社会事情と科学的精神」
...台所と居間の隔てを開け...
泉鏡花 「婦系図」
...今行幸道路を隔てて見ゆる海上ビルデングのあたりには松平豊前(ぶぜん)が住まっていた...
高浜虚子 「丸の内」
...彼は女と己との隔てが無くなったように思った...
田中貢太郎 「牡丹燈籠 牡丹燈記」
...千々岩(マヽ)灘を隔てゝ雲仙をまともに見遙かすのである...
種田山頭火 「行乞記」
...住(すま)へる人また遠くこの世を隔てたるにはあらずやと疑はる...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...王宮と河一つ隔てた広場に面した四角な煉瓦造りの建物で...
寺田寅彦 「ベルリン大学(1909-1910)」
...身分の隔てがあるのと...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...岩井の部屋は三畳の控えの間のついた六畳間で、印東の部屋とはちょうど反対側の西北に向いているから、木連(きづれ)格子の嵌った窓から見ると、備前堀を隔てて、建築中の本願寺の大きな屋根が、つい鼻の先にくろぐろと聳え立っている...
久生十蘭 「魔都」
...前にあげた圓位と順徳院の真野の山陵の場合と全く同一で五百年を隔てて古への薄幸な帝王を忍ぶ悲壮ではあるが冷静な心持である...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...一の大河を隔てて東西に人里ある所に生まれて...
南方熊楠 「十二支考」
...九重(ここのへ)に霞(かすみ)隔てば梅の花ただかばかりも匂(にほ)ひこじとや何でもない御歌であるが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...隔て心があるように思われるのも苦しい...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...谷ひとつ隔てた妙法岳の中腹に...
吉川英治 「江戸三国志」
...道頓堀川(どうとんぼりがわ)を隔てて...
吉川英治 「治郎吉格子」
...その火焔が橋廊下のある中庭を隔てて此方の広間の障子へ赤く映った...
吉川英治 「新書太閤記」
...私と閏土とは竟(つい)にこんなにかけ隔てられてしまったのだ...
魯迅 佐藤春夫訳 「故郷」
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