...曇らされざる眼を以つて自己と自己の内容とを反省したことがある者の何人も拒み得ないところである――この事實を閑却してはならない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...畑仕事は女の内職の樣に閑却されて...
石川啄木 「赤痢」
...どれを閑却しても...
上田広 「指導物語」
...肝心の理科進歩の根底なる研究心の養成は頗る閑却せられて居る...
丘浅次郎 「理科教育の根底」
...ややもするとほんとうの科学的興味は閑却されて...
寺田寅彦 「断水の日」
...彼女は世の中への出口を閑却していた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...道具衣裳(いしょう)の歴史的考証を専(もっぱら)とし舞台上の絵画的効果を閑却せしより...
永井荷風 「江戸芸術論」
...市中(しちゅう)の樹木を愛するもの決してこれを閑却(かんきゃく)する訳には行(ゆ)くまい...
永井荷風 「日和下駄」
...一時閑却していた雛壇の方へ向いて...
中里介山 「大菩薩峠」
...改定のことも閑却され...
中里介山 「大菩薩峠」
...お銀様を閑却して...
中里介山 「大菩薩峠」
...閑却された行燈に向って...
中里介山 「大菩薩峠」
...つまり名辞以前の世界が閑却されがちである...
中原中也 「芸術論覚え書」
...肝心(かんじん)の人間の行為を支配する根本の大部分を閑却して世の中が運転する訳がありません...
夏目漱石 「創作家の態度」
...多忙のため不公平を甘んずる批評家のために閑却されては...
「長塚節氏の小説「土」」
...おれは閑却されてゐる――さう思つた事がよくあつた...
水野仙子 「道」
...今の青年輩(はい)は動(やや)ともすると実用なる科学智識の研究を閑却してヤレ詩を作るの歌を詠(よ)むのあるいは俳句を案ずるのと無用な閑文字(かんもんじ)に脳漿(のうしょう)を絞(しぼ)っているが...
村井弦斎 「食道楽」
...別に久しい中間期の忌避と閑却とのあったことが推定し得られる...
柳田国男 「海上の道」
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