...貴樣は何だ、鉛ぢやないか、歡びも、悲しみも、怒りも、恨みも、重く、鈍く、光なく、薄汚く、よぼ/\と、のろ/\と、跛(いざ)り行かしむる貴樣は鉛の精ぢやないか...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...静かに鈍く生命を脅かす腰部の痛み...
有島武郎 「或る女」
...並木のつきたところに白壁が鈍く光っている...
太宰治 「彼は昔の彼ならず」
...長男は世事に鈍く...
太宰治 「ロマネスク」
...鈍く輝く硝子の眼球...
富永太郎 「鳥獣剥製所」
...にこやかに鈍くなり...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...然るにさう云ふ感じが時の立つに連れて次第に鈍くなつた...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...鈍く痛んだりしてきた...
直木三十五 「南国太平記」
...たゞ矢鱈に冷たく鈍く光つてゐた...
中原中也 「蜻蛉」
...腕は少々鈍くとも...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...鯉が鈍く動いていた...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...彼女はたった一本のろうそくで鈍く照らされた死者のベッドを見て...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...かならず半睡状態に陷つてあらゆる動作がきはめて鈍くなるのださうだ...
堀辰雄 「山日記 その一」
...星の鈍くまたたく夜...
松濤明 「山想う心」
...小石に触れて鈍く軋(きし)る車輪の響とが...
森鴎外 「沈黙の塔」
...私が老成人になつてゐたためかも知れぬが或は私の神経が鈍くなつたためだとも思へば思はれる...
森鴎外 「津下四郎左衛門」
...ものごとの判断も鈍く...
山本周五郎 「若き日の摂津守」
...丁度同じように眼で見るものも耳に聴くものも同じく鈍くてよそごとのように思われた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
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