...鍬の土に喰い込む音だけが景色に少しも調和しない鈍い音を立てた...
有島武郎 「カインの末裔」
...鈍い彼が目は再び茶ぶだいの上に落ちてる...
伊藤左千夫 「浜菊」
...門の内は鈍い色に沈んでゐた...
鈴木三重吉 「桑の実」
...道具の鈍いのは難で...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...右を見ても左を見ても青い蘆(あし)の葉に鈍い鉛色の水が続き...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...自分の鈍い胃には比較的に工合がいいので...
寺田寅彦 「雑記(2[#「2」はローマ数字、1-13-22])」
...其れ以外にも少し金銭上の取引きがあつてそんな事には頭脳(あたま)の働きの鈍い津島に...
徳田秋声 「風呂桶」
...ぢつと兵卒の衣裳に鈍い視線を注いでゐた...
永井荷風 「勲章」
...鈍い色沢の乱雲が山峡を埋めて...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...おおきに」かんは鈍いけれども...
火野葦平 「花と龍」
...適当な刄の鈍い個所があるからと...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...遂(つい)には唯(ただ)の清酒は利(き)きが鈍いなんてブランデーだのウ※スキーだの飲む者があるが...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...なんだか鈍い、次第に強くなつて来る物音が聞えるのである...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「うづしほ」
...木製の重い棍棒(こんぼう)、あるいは鉄製の広い棒――椅子――なにか大きな、重い、鈍い形の凶器を、もし非常な大力の男の手で使ったなら、このような結果が起きたかもしれない...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「モルグ街の殺人事件」
...が、顏を見ると、光のない鈍い眼、小鼻の廣い平たい鼻、硬さうな黒い皮膚がどうしても愚かものらしく彼れを見させた...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...「おれのこの鈍い頭では...
山本周五郎 「若き日の摂津守」
...虎五郎の鈍い目は...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...鈍い声でうめいた...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
便利!手書き漢字入力検索
