...が、娘は遮るやうに、口早(くちばや)に言葉(ことば)を続けました...
芥川龍之介 「三つの指環」
...西風がドウと吹いて、千里の夏草が皆靡(なび)く、抗ふ樹もなければ、遮る山もない、ト、風は野の涯に来て自ら死ぬ...
石川啄木 「菊池君」
...眉をたゝき耳を打つ礫の如く目を遮るとばかりの隙に...
泉鏡花 「遺稿」
...夢のごとく眼(まなこ)を遮る...
泉鏡花 「婦系図」
...老人の亡骸を遮るようにして一団の人々が刑務所の高塀のように厳(いか)めしく立ち並んでいた...
海野十三 「仲々死なぬ彼奴」
...一望遮るものもなく遥(はる)かの麓(ふもと)まで...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...遮るように親分が大声を出した...
谷譲次 「踊る地平線」
...温い日光の影を遮る事もあつた...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...西日を遮るための日蔽ひをぱたりと下した...
田山録弥 「浴室」
...細君も腹立たしげに己の詞を遮るやうに饒舌(しやべ)り出した...
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 森林太郎訳 「鰐」
...もはや眼を遮るものは何もなくなり...
豊島与志雄 「バラック居住者への言葉」
...前方を遮る冷たい鉄の扉の幻影であった...
豊島与志雄 「二つの途」
...視線を遮ることなく...
豊島与志雄 「北京・青島・村落」
...土地陰湿にして夏は蚊多く冬は湖上に東北の風を遮るものがないので寒気甚しくして殆ど住むに堪えないと云うことである...
永井荷風 「上野」
...隣家の小楼はよく残暑の斜陽を遮ると雖(いえども)晩霞(ばんか)暮靄(ぼあい)の美は猶此を樹頭に眺むべし...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...西南の方を望むと此大江の水の通ずる區域は只一帶の平野と見えて空を遮るものがない...
長塚節 「彌彦山」
...みんなを遮るやうな眼付をしながら耕二に言ひ掛けた...
中原中也 「耕二のこと」
...S=階下七五郎、遮る...
山中貞雄 「森の石松」
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