...プラトンは応接に遑(いとま)あらずと云ふ工合である...
オイゲン・チリコフ Evgenii Nikolaevich Chirikov 森林太郎訳 「板ばさみ」
...これ北斎をして自(おのずか)ら一派一流の法式を墨守(ぼくしゅ)するの遑(いとま)なからしめたる所以(ゆえん)ならずや...
永井荷風 「江戸芸術論」
...○近年官吏の収賄(しゅうわい)をなして捕縛せらるるもの数うるに遑(いとま)あらず...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...現代営利の風潮に化せられなかつたかを深く考究する遑がなかつた...
永井荷風 「来訪者」
...幌の中に包まれた自分はほとんど往来の凄(すさま)じさを見る遑(いとま)がなかった...
夏目漱石 「行人」
...一寸の遑(ひま)もなく驅けて歩いて居た筈だ」徳右衞門は指を折つて數へて居るのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それを疑っているに遑(いとま)なく...
二葉亭四迷 「浮雲」
...無闇に莨を喫すとか――とそれこそ枚挙に遑はない...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...十三日の朝引越しさわぎの間で遑(あわただ)しく立ちよみして来た二つの手紙をよみなおし...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...でもあしたは余り遑しい...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...めあてのない遑だしさで急いでくる蝦蟇の群...
三好達治 「測量船」
...三右衛門は思慮の遑(いとま)もなく跡を追った...
森鴎外 「護持院原の敵討」
...哄笑(こうしょう)させる遑(いとま)をおいていたら...
吉川英治 「上杉謙信」
...そんな遑(いとま)はない」と...
吉川英治 「三国志」
...近年だけの武蔵に関する著述だけでも枚挙(まいきょ)に遑(いとま)がないといっていい...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...訊き合せている遑(いとま)もないし...
吉川英治 「源頼朝」
...御一緒に」思慮にただしてみる遑(いとま)もなく...
吉川英治 「柳生月影抄」
...出典は『日本書紀』『續日本記』『靈異記』『往生傳』『聖徳太子傳暦』及び諸大寺の縁起など一々擧げるに遑がない...
和田萬吉 「父兄の方々に」
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