...勿論あなたのお書きになるものを透してですけれども――そしてあなたが大変にまじめな方であるらしいと云ふ事やそれからいろ/\その他自分で知つてゐる丈けの事を並べて私に説明してくれて...
伊藤野枝 「書簡 木村荘太宛」
...天井に嵌めこんだ大きなグローヴを透して...
海野十三 「深夜の市長」
...あたりの木立を透してそよそよと吹き入る秋風の動きにつれて...
薄田泣菫 「木犀の香」
...新一は二人の喫っている物は何だろうかと思って透して見たが見えなかった...
田中貢太郎 「狐の手帳」
...罰があたったのだよ」大異はそのまま簷下(のきした)へ出て月の下を透して見た...
田中貢太郎 「太虚司法伝」
...多くは最初直感的にその結果を見透した後に...
寺田寅彦 「科学者と芸術家」
...氏自身の見透しを裏切って復職不可能の現状にあるようだ...
戸坂潤 「社会時評」
...クンツは暗闇の中を透し見て...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それを透したと見えて...
直木三十五 「南国太平記」
...この遠い見透しのもとに理解さるべきである...
中井正一 「物理的集団的性格」
...とたんにさっと見透しがきく...
中谷宇吉郎 「樹氷の科学」
...錯雑した樅(もみ)の枝を透して...
堀辰雄 「美しい村」
...その槇の苦痛が僕の中に少しづつ浸透してきた...
堀辰雄 「不器用な天使」
...嫩(わか)い木の葉は浅黄色に陽を透していた...
本庄陸男 「石狩川」
...木兎の家の窓から朧月を透して見物したことや...
牧野信一 「城ヶ島の春」
...古びた黄っぽい建物の翼に射している斜光が楓の葉の繁みを裏から透していて...
「おもかげ」
...乳の瓶を明りに透しちょいと眉をしがめた...
室生犀星 「童子」
...ふと油燈(ラムプ)の光に透して戸を見れば...
森鴎外 「舞姫」
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