...白脛(しらはぎ)も水に透くよう...
泉鏡花 「悪獣篇」
...月の桂(かつら)の透くやうに...
泉鏡花 「印度更紗」
...家と家との間を透く...
泉鏡花 「浮舟」
...表の障子も裏透くばかり...
泉鏡花 「歌行燈」
...地(じ)の透く髪を一筋梳(すき)に整然(きちん)と櫛を入れて...
泉鏡花 「婦系図」
...私は今でもこの時の笑止千万を……そして私にとって快この上もない胸の透くような想い出を忘れることができぬのであった...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...どっかへ行ってしまった」「もうどっかへ嫁(かた)づいているの?……柳沢さんそんなことをいっていたよ」それを聴いて私はいよいよ柳沢が蔭(かげ)でお宮にいろんなことをいっているのが見え透くように思われた...
近松秋江 「うつり香」
...どんなに胸が透くであろう...
近松秋江 「狂乱」
...腹黒き計略が歴々(ありあり)と見え透くようでござりまする...
中里介山 「大菩薩峠」
...おいよさんの反物は柄は絣であつたが翳せば先が見え透くやうな安物であつた...
長塚節 「隣室の客」
...しかしそれは今の普通の探偵小説ではきっと先生には絡繰(からくり)があまり見え透くのでつまらないといわれるのだろうと思われる...
中谷宇吉郎 「先生を囲る話」
...そんな風に相手をからかつたりするのは仲々面白かあなくつて! 何となく胸が透くでせう...
牧野信一 「小川の流れ」
...スーッと胸の透くものがあった...
正岡容 「寄席」
...人がたくさん見ている時に肌(はだ)の透く物を着るのは他をないがしろにすることにもあたりますが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...または肌の透くような薄絹の袖を顔に当てて...
柳田国男 「雪国の春」
...云わぬ心がハッキリ見え透く...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...一夜あけると、大蔵の邸は、花嫁の輿の道すじから、門前門外、すべて敷砂(しきすな)され、新郎新婦の起居する一殿の欄下(らんか)を流れる小川の朽葉(くちば)まで、底の透くほど、きれいに清掃されていた...
吉川英治 「私本太平記」
...暫く橋の上に立ってあちこちとその流れを――水垢の色が透くので色づいては見えるが水はよく澄んでいるのだ――見ていたがなかなかその魚のすがすがしい姿などは見えなかった...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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