...私は透きとほつて見える高い星空の下で...
犬養健 「亜剌比亜人エルアフイ」
...小さいふし穴や戸の透き間から覗いて見ると...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...四郎の高い透き通る鼻と...
江戸川乱歩 「江川蘭子」
...三藏は終に戸の透きに口を當てゝ案内を請うた...
高濱虚子 「俳諧師」
...希臘(ギリシャ)古彫刻のように気高いその横顔を……透き徹るように美しい瑠璃色の眸(ひとみ)を……すっきりとして豊かな頤(あご)を……そして羅衣(うすもの)の上衣の下からむっちりと隆起している両の乳房を……私は椅子に凭(よ)ったまま...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...どこもかしこも透き通るやうで...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...「わしにとってはな」と、彼は自分の好きな話題に移ると同時に、まるで一時に酔いがさめてしまったように、ひどく元気づいてきた、「わしはな……こんなことを言っても、おまえらのような子豚同然なねんねにはわかるまいが、わしにはな……これまでの一生を通じて、女に会って見苦しいと思うことはなかったよ、これがわしの原則でなあ! 全体、おまえらにこれがわかるかしらん? どうして、どうして、おまえらにこれがわかってなるものか! おまえらの体内には血の代わりに、まだ乳が流れておるのだ、まだ殻(から)が脱けきらんのだ! わしの原則によるとな、どんな女の中にも、けっして他の男には見つからんような、すこぶる、そのおもしろいところが見つけ出せる――だが、自分で見つけ出す眼がなくてはならん、そこが肝心だ! 何よりも手腕だよ! わしにとってはぶきりょうな女というものがないのだ、女であることが、もう興味の半ばをなしておるのだよ、いや、こんなことはおまえたちにわかるはずがないて! 老嬢などという手合いの中からでも世間のばか者どもはどうしてこれに気がつかずに、むざむざ年を食わしてしまったのかと、驚くようなところを捜し出すことがときどきあるのだよ、はだし女やすべたには、初手にまずびっくりさせてやるのだ――これがこういう手合いに取りかかる秘訣(ひけつ)なのさ、おまえは知らないかい? こういう手合いには、まあ、わたしのような卑しい女を、こんな立派な旦那様(だんなさま)が、と思って、はっとして嬉しいやらはずかしいやらで、ぼうとした気持にしてしまわにゃいかんて、いつも召し使いに主人があるように、いつもこんなげす女にれっきとした旦那がついてるなんて、うまくできておるじゃないか、人生の幸福に必要なのは全くこれなんだよ! ああそうだ!……なあアリョーシャ、わしは亡くなったおまえのおふくろをいつもびっくりさせてやったものだよ、もっとも、別なやり方ではあったがね、ふだんは、どうして、甘いことばひとつかけることじゃなかったが、ちょうどころあいを見はからってはだしぬけに精一杯ちやほやして、あれの前で膝(ひざ)を突いてはいずり回ったり、あれの足を接吻したりして、あげくの果てには、いつでも、いつでも――ああ、わしはまるでつい今しがたのことのように覚えておるが、きっとあれを笑い転げさしてしまったものだよ、その小さい笑い方が一種特別で、こぼれるような、透き通った、高くないが、神経的なやつさ、あれはそんな笑い方しかしなかったんだよ、そんな時は決まって病気の起こる前で、あくる日はいつも、憑(つ)かれた女になってわめきだす始末だ、だから今の細い笑い声もけっして嬉しさの現われではなく、こちらは一杯食わされたことになるのだけれど、それでもまあ嬉しいには違いないさ、どんなものの中からでも特別な興味を捜し出すっていうのは、つまりこれなんだよ! あるときベリャーフスキイのやつが――そのころそういう金持ちの好男子がこの町に住んでいて、あれをつけ回して、家へもよくやって来おったので――そいつが不意に、何かのはずみで、わしの頬桁(ほおげた)を、それもあれの面前で、なぐりつけやがったのだ、すると、あの牝羊みたいな女が、この頬桁一件のために、このわしをひっぱたきかねないばかりのけんまくで食ってかかったのさ、『あなたは今ぶたれましたね、ぶたれましたね、あんな男に頬ぺたをぶたれるなんて! あなたはわたしをあの男に売り渡そうとしてらっしゃるのでしょう……ほんとに、よくもわたしの眼の前であなたをぶったものだ! もうもうけっして、二度とわたしのそばへ寄せつけやしない! さあすぐに追っ駆けて行って、あの男に決闘を申しこんでください』……そこでわしは、あれの心を静めるために、お寺へ連れて行って、坊さんがたに御祈祷(ごきとう)をしてもらったよ、しかし、アリョーシャ、神かけてわしはあの『憑かれた女』を侮辱したためしはないよ! いや、一度、たった一度きりある...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...しかもなお透き通っていて...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...腰をのして舟の中なるエレーンの額――透き徹(とお)るエレーンの額に...
夏目漱石 「薤露行」
...加茂の水の透き徹るなかに全身を浸けたときは齒の根が合はぬ位であつた...
夏目漱石 「京に着ける夕」
...蝋(ろう)のような透き徹(とお)る娘の顔には...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...体のどこかに病気の巣食つてゐるやうな透き通つた女だ...
林芙美子 「瑪瑙盤」
...透きとほるやうに蒼白きがいたましく見えて...
樋口一葉 「うつせみ」
...後には透きもる燈火のかげも消えて...
樋口一葉 「にごりえ」
...山も水晶のように透きとおっている...
夢野久作 「怪夢」
...上地の底の遠い遠い所から透きとおるような陰気な声が震え起って...
夢野久作 「斜坑」
...目に入るものは皆透き通る位に鮮(あざや)かだ...
吉江喬松 「木曾御嶽の両面」
...あんまり透きとおっていて眼が痛いくらいだ...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
ランダム例文:
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??
時事ニュース漢字 📺
