...旦那が御番での留守を見はからってねて居らっしゃるまくらもとに立って奥様の御守刀で心臓を刺し通したので大変驚き「汝逃すものか」と長刀の鞘をはずして広庭までおって居らっしゃったけれ共前からぬけ道を作って置いて行方知れずになってしまった...
井原西鶴 宮本百合子訳 「元禄時代小説第一巻「本朝二十不孝」ぬきほ(言文一致訳)」
...それを見逃すような蠅男ではなかった...
海野十三 「蠅男」
...あの女は何かしら秘密を持っていることは確(たしか)です」明智は山野夫人のどんな微細の表情の動きをも見逃すまいとする様に...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...泳ぐ人影を見逃す筈はない...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...長吉を逃すことよりも...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...そういう「事実の方則」がこの書の到る処に強調されているのを見逃すことは出来ないのである...
寺田寅彦 「徒然草の鑑賞」
...茲に認識論的範疇の最も判明な典型を見逃すことは出来ないであろう...
戸坂潤 「範疇としての空間に就いて」
...このままお見のがしを願いまする」見逃すべきであるか...
中里介山 「大菩薩峠」
...逃すこっちゃあねえ」前後から組みついて来たのを...
中里介山 「大菩薩峠」
...相手の顔から些(いささか)の好色的な影も逃すまじとの鋭い其の癖如才無い眼付きで...
西尾正 「陳情書」
...逃すなッ」「畜生ッ...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...逃すなッ」井戸の中から濡(ぬ)れた様子もない平次が這い上がって来ました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...逃すなツ」井戸の中から濡(ぬ)れた樣子もない平次が這ひ上がつて來ました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...逃すな」續いて押入から飛出した平次...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...此處まで追ひ込んだ曲者を逃す...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...および大門通(おほもんどほ)りの舊吉原(元和三年に商賣はじめ)と歌舞伎芝居の勢力を見逃すことも出來ず...
長谷川時雨 「花火と大川端」
...……どんなことがあっても取り逃すようなことはありませんなどと大きなことをいっておきながら...
久生十蘭 「魔都」
...かつては「多」と「廉」とが真に美の保障であったことを見逃すことができないのです...
柳宗悦 「民藝とは何か」
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