...「香に迷ふ」とか云ふので...
石川啄木 「菊池君」
...胸中その是非に迷ふが如き...
泉鏡花 「海城発電」
...時々迷ふ人間の理性よりは...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...お目かけの口であつたり――若いものはまだ迷ふばかりです...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...辿(たど)るに迷ふことはあらじ...
巌谷小波 「こがね丸」
...うねりも貴(あて)におほどかに起きてまた伏す行末は沙(すな)たち迷ふ雲のはて...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...荒野(あれの)に迷ふ船乘(ふなのり)の愁...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...青い空には低い微(かす)かな雲が迷ふやうに消えて行つた...
鈴木三重吉 「桑の実」
...あながちに己(おの)が見証を将(もつ)て世に吹聴(ふいちやう)せんとにはあらず、唯だ吾が鈍根劣機を以てして、尚(な)ほ且つこの稀有(けう)の心証に与(あづか)ることを得たる嬉(うれ)しさ、忝(かたじ)けなさの抑(おさ)へあへざると、且つは世の、心洵に神に憧(あこが)れて未(いま)だその声を聴かざるもの、人知れず心の悩みに泣くもの、迷ふもの、煩(うれ)ふるもの、一言すればすべて人生問題に蹉(つまづ)き傷(きずつ)きて惨痛の涙を味へるもの、凡(およ)そ是等(これら)一味の友にわが見得せる所を如実(さながら)に分かち伝へんが為めに語らんとはするなり...
綱島梁川 「予が見神の実験」
...心ごゝろの春去りて色こと/″\く褪めはてつ夕波寒く風たてば行衞や迷ふ花の魂名殘の薫りいつしかに水面遠く消えて行く...
土井晩翠 「天地有情」
...清渭の流れ水やせてむせぶ非情の秋の聲夜は關山の風泣いて暗に迷ふかかりがねは令(れい)風霜の威もすごく守るとりでの垣の外...
土井晩翠 「天地有情」
...迷ふなら迷へ...
中沢臨川 「愛は、力は土より」
......
中原中也 「山羊の歌」
...路頭に迷ふその盲目のエピゴーネン達だ...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...問はねどしるき與之助が心の宙宇に迷ふ有さまゝで夫れと呑みこめば...
樋口一葉 「花ごもり」
...其近欲に迷ふて一年も早く書を読みたきは感情の然らしむる所...
正岡子規 「読書弁」
...逃げ迷ふ女子供の泣き喚(わめ)く声やら...
宮原晃一郎 「拾うた冠」
...この目は常にをち方にのみ迷ふやうなれど...
森鴎外 「文づかひ」
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