...しんなりと軟(やわらか)い...
泉鏡花 「薄紅梅」
...学海翁は硬軟兼備のその頃での大宗師であったから...
内田魯庵 「露伴の出世咄」
...あなたの徳川時代の軟派ものの蒐集だってたいしたものだよ...
江戸川乱歩 「探偵小説このごろ」
...女の軟弱な肉を振り捩斷(ちぎ)るやうに掴み占める時の無殘さが...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...彼は誰とも親しくなれる質の柔軟(やわら)かな心をもつてゐた...
徳田秋聲 「老苦」
...以上は軟かい方の文學に就ての話である...
内藤湖南 「大阪の町人と學問」
...午後(ひるすぎ)の冬の日は黄(きいろ)い色をしていかにも軟く穩かに輝いてゐる...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...石垣に寄せる漣の音がさゝやくやうに軟く二人の情緒を刺戟する...
永井荷風 「来訪者」
...お絹の寝息がいよいよ軟らかく波を打つ...
中里介山 「大菩薩峠」
...軟弱の徒(と)には緩慢なじめじめした醜い苦しみが...
中島敦 「李陵」
...南風が軟かに且つ凉しく野茨の花に吹き渡る...
長塚節 「おふさ」
...そのために出來た月が至つて軟らかな球體で...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...その軟弱方針の裏書をしてやった開拓使だけであった...
本庄陸男 「石狩川」
...「う? う?」軟かく鼻にかかった百代の声がした...
宮本百合子 「明るい海浜」
...後頭部にだけ軟かな半白な髪がもしゃもしゃと遺っているペテロのような禿頭は...
宮本百合子 「伊太利亜の古陶」
...あるときは固く・あるときは軟らかく・そしていつも不消化である...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...柔軟性に富んだ跳躍とは...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...とみに軟化の色を見せはじめた...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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