...その劒の前(さき)に趺(あぐ)み坐(ゐ)て...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...十字の繩床(じようしやう)に結跏趺坐(けつかふざ)して阿(うんあ)の行業(かうごふ)に夜の白むを知らず...
高山樗牛 「瀧口入道」
...机の前にどっしりと趺座(あぐら)をかいている...
近松秋江 「うつり香」
...入って来るからちょうど真正面(まとも)にそっち向きに趺座(あぐら)をかいていた柳沢の顔を見て燥(はしゃ)いだように笑いかかった...
近松秋江 「うつり香」
...柳沢は例(いつも)のとおり二階の机の前に趺座(あぐら)をかいていたが私たちが上っていったのを見て...
近松秋江 「うつり香」
...相公閣下、閣下は元來職守に嚴に、職權を行するを以て高名なりし人なり、井上伯は閣下に比すれば、機略に富み決斷に長ずれども、其の趺宕の性、動もすれば法律規則を無視するの弊あり、伊藤侯は閣下に比すれば、立法の才、組織の能力に於て超絶すれども、其の文采言語の多き割合には其の實行躬踐の分量甚だ少なきの缺點あり、閣下は固より伊藤侯の才能なく井上伯の膽氣なしと雖も、而も曾て重きを藩閥政府に有したるは、實に官府の秩序と威權とを保維するを以て行政の要と爲したるに由れり、其の或は極端なる法治主義に偏して時に精刻峻急に陷るの病ひあるのみならず規摸も亦甚だ狹小にして、官權擴張の外殆ど大なる主張なかりしに拘らず、我輩は尚ほ此點に於ける閣下の本領を認めて、所謂る藩閥武斷派の代表者と爲したりき、今や閣下の本領は全く消磨して、精刻峻急の角度を取り除きたる代りに、秩序もなく、節制もなく、官紀を紊亂し、行政機關を荒廢して、唯だ内閣一日の姑息を謀らむとす何ぞ其の老ゆるの太甚しきや...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...彼は多くの場合に於て極めて沈默なりと雖も、是れ唯だ眠れる獅子の沈默のみ、其勃然として一たび自席を起つや口を開けば惡罵百出、瞋目戟手と相應じて、猛氣殆ど當る可からず、曾て原敬氏を罵つて國賊と爲すや、叱咆哮、奮躍趺宕、恰も狂するものゝ如く、人をして全身の血管悉く破裂せざるかを疑はしめたりき當時某代議士は彼れが感情の滿潮に達するを觀て其或は氣絶せんことを恐れ、竊かに介抱の準備を爲したりと語りしほどなれば、其言動の激烈なりしこと以て想見す可し而も世間彼れの疎狂を咎めずして、反つて彼れに同情を寄與するもの多きは何ぞや...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...結跏(か)し趺(ふ)坐しているのである...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...室(へや)に入るや否(いな)やいきなり趺座(あぐら)をかき...
新渡戸稲造 「自警録」
...その工合は臺の上に結跏趺坐(けつかふざ)した佛像が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...煙草に火をつけながら年寄の傍に趺坐をかくと...
牧野信一 「砂浜」
...阿那律すなわち前(すす)みて室に入り結跏趺坐(けっかふざ)す...
南方熊楠 「十二支考」
...趺(ふ)は二重に候...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...中に一片(ぺん)の丸木船に杓子(しやくし)の様な短い櫂を取つて乗つて居る丸裸の黒奴(くろんぼ)が趺坐(あぐら)をかき乍(なが)ら縦横に舟を乗廻して頻(しき)りに手真似で銭(ぜに)を海中に投げよと云ふ...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...さながら趺坐(ふざ)の行者のようにみえる...
吉川英治 「私本太平記」
...ただ一つの戦(そよ)がない趺坐(ふざ)の石仏(せきぶつ)のごとく...
吉川英治 「私本太平記」
...趺坐(ふざ)をかえて...
吉川英治 「私本太平記」
...趺坐瞑目(ふざめいもく)することしばらく...
吉川英治 「新・水滸伝」
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