...あえて越ゆべからざる埓(らち)を越えようは思わないのだ...
有島武郎 「広津氏に答う」
...手取川を越ゆるまでに源平島と云う小駅あり...
泉鏡花 「一景話題」
...地球と人類が年を越ゆるほど生は死に勝ちつつあるにあらずや...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...『明日金精峠を越ゆ』と云へば...
大町桂月 「上州沼田より日光へ」
...すこぶる分を越ゆるの言を作(な)し...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...その区々たる手続き儀式が企望と現実の間に越ゆべからざる障壁として立てるを覚えざるあたわざりき...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...そしてこの作品をこしらえるおりの私の期待をはるかに越ゆることであるが...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...茲に一の越ゆべからざる限度を立て...
内藤湖南 「支那古典學の研究法に就きて」
...現住地では越ゆるに越えられぬ人為のいばらがあればこそ...
中里介山 「大菩薩峠」
......
長塚節 「長塚節歌集 上」
...「得(エ)」のような甲の類に属するものは「う」「うる」とア行に活用し「消え」「絶え」「越え」のような乙の類のものは「消ゆ」「絶ゆ」「越ゆ」とヤ行に活用します...
橋本進吉 「古代国語の音韻に就いて」
...今の間に高等学校、大学校越ゆれば、学士の称号目の前にあり、彼れは行水(ゆくみず)の流れに落花しばらくの春とどむる人であろうといい、(親密々々)これは何の言葉であろうと言い、情に走り、情に酔う恋の中に身を投げいれる人々と、何気なくは書いているものの、更(ふ)けて風寒く、空には雲のただずまい、月の明暗する窓によりて、沈黙する禿木氏と、燈火(ともしび)の影によく語る孤蝶子との中にたって、茶菓(さか)を取まかなっていた女史の胸は、あやしくも動いたのであろう...
長谷川時雨 「樋口一葉」
...「君が越ゆれば關守もなし」と源太景季が詠じたのは文明北漸史上の眞理を言ひつくして居る...
原勝郎 「日本史上の奧州」
...令なく戦線を越ゆる者は斬らん...
吉川英治 「三国志」
...わが越ゆる岡の路辺のすすきの穂まだ若ければ紅ふふみたりの頃もよく...
若山牧水 「秋草と虫の音」
...そして明日はこの爺さんに案内を頼んで十文字峠を越ゆることになつた...
若山牧水 「木枯紀行」
......
若山牧水 「樹木とその葉」
...一つの入江の浪打際を過ぎて丘を越ゆると思いもかけぬ鼻先(はなさき)に碇泊中の帆柱がゆらりゆらりと揺れていると云った具合だ...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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