...水は低きに赴く...
會津八一 「趣味の向上」
...已むを得ず赴くところの殿堂が即ち象徴だ...
有島武郎 「詩への逸脱」
...座敷牢へ赴くとて...
泉鏡花 「活人形」
...青年英雄、敵人の処に赴く...
高木敏雄 「比較神話学」
...後(うしろ)には人心の赴く所(ところ)一ならず...
高山樗牛 「瀧口入道」
...文化統制の赴く処無限である...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...かく幕府の施設も困難に赴く際...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...私はその方の学校の視察にも赴く事になった...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...死に赴く幼い子供達であった...
直木三十五 「南国太平記」
...それが外國に赴くべき直接の原因である...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...混沌たる明治文明の赴くところは大正年間十五年の星霜を経由して遂にこの風俗を現出するに至ったものと看るより外はない...
永井荷風 「申訳」
...あの先生の急に赴くことはできないことだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...今年は多分日向に赴く...
中原中也 「夏」
...――彼は足の赴くままに郷里の景色を見て歩いた...
原民喜 「壊滅の序曲」
...ひとりこつそりと芝居の覗き見に赴くやうになり...
牧野信一 「早春のひところ」
...この部屋か或ひは「多くの人々は多様なる彼方に赴くべし...
牧野信一 「痴酔記」
...彼はこれから松平家の下屋敷に開かれる祝宴に赴くのである...
吉川英治 「剣難女難」
...「――すぐ取囲んで、何者ぞと、取糺(とりただ)しましたところ、頭目らしき真っ先の男がいうには――自分ことは、黄祖の手下で、甘寧(かんねい)字(あざな)を興覇(こうは)とよぶ者であるが、もと巴郡(はぐん)の臨江に育ち、若年から腕だてを好み、世間のあぶれ者を集めては、その餓鬼大将となって、喧嘩を誇り、伊達(だて)を競い、常に強弓、鉞(まさかり)を抱え、鎧を重ね、腰には大剣と鈴をつけて、江湖を横行すること多年、人々、鈴の音を聞けば……錦帆(きんぱん)の賊が来たぞ!錦帆来(きんぱんらい)! と逃げ走るのを面白がって、ついには同類八百余人をかぞうるに至り、いよいよ悪行を働いていたなれど、時勢の赴くを見、前非を悔いあらため一時、荊州に行って劉表(りゅうひょう)に仕えていたけれど、劉表の人となりも頼もしからず、同じ仕えるなら、呉へ参って、粉骨砕身、志を立てんものと、同類を語らい、荊州を脱して、江夏まで来たところが、江夏の黄祖が、どうしても通しません...
吉川英治 「三国志」
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