...どうも日本人の貧弱な顔ぢや毛皮の外套(ぐわいたう)の襟へ頤(おとがひ)を埋(うづ)めても埋め栄(ば)えはしないやうな気がする...
芥川龍之介 「一番気乗のする時」
...すべてこの上なく貧弱な質である...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...健康らしいいゝ血色と蟠(わだか)まりのない気持のいゝお声と精力が溢れるやうなお体つきを見てゐますと私は自分の貧弱なのがいやになつて仕舞ひました...
伊藤野枝 「編輯室より(一九一五年一月号)」
...「貧弱なオブジェというところだね」「ずいぶん背中のとこが凹んでるだろう」彼はしゃがめないから...
梅崎春生 「狂い凧」
...ノウフォークのみじめな公爵――スコットランドの女王マリーとの結婚を夢見たあの貧弱なホワアドは...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...クリティシズムそのものの伝統がフィクションその他の伝統に較べて(「詩」の伝統に較べてさえ)問題にならぬほど貧弱なので...
戸坂潤 「思想としての文学」
...従って機械的な必然性の観念は最も貧弱な必然性の観念なのである...
戸坂潤 「思想としての文学」
...レオンハルトのような一愚人の凡庸(ぼんよう)な魂と貧弱な理屈とから...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それが今日から考へると貧弱なものでありますけれども...
内藤湖南 「日本國民の文化的素質」
...今から考えてみると随分貧弱な話であるが...
中谷宇吉郎 「先生を囲る話」
...すべてが貧弱なもので...
林芙美子 「魚の序文」
...つぎのような貧弱な材料で...
久生十蘭 「キャラコさん」
...また貧弱なオルガンが鳴って...
久生十蘭 「春雪」
...自国の富強なる勢いをもって貧弱なる国へ無理を加えんとするは...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...粒のような小い貧弱な実の生る今日いうかのタチバナの如(ごと)きは決して彼れの目的物では無かった筈だ...
牧野富太郎 「植物記」
...その人口を彼らの貧弱な生活資料の水準に抑止した主たる妨げである...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...だが出雲の焼物の中でこの「出雲焼」ほど醜悪な貧弱なものはない...
柳宗悦 「雲石紀行」
...ただ一つの貧弱な花束を摘み取っただけで...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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