...蘭麝(らんじや)の薫を漂はせた綺羅(きら)の袂を弄(もてあそ)びながら...
芥川龍之介 「きりしとほろ上人伝」
...」「奥さんの袂(たもと)の中で鳴っているんだから...
芥川龍之介 「蜃気楼」
...橋の袂の公衆電話へ駈けこんでいた...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...袂(たもと)を翻(ひるが)えし...
田中英光 「オリンポスの果実」
...無言でその袂を自分の方へしずかに引いた...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...さうしてじれればじれるほどかたくなつて肝心のところでしくじつてはお手玉をはふりつけたり袂にくひついたりしたが...
中勘助 「銀の匙」
...すると主人は袂(たもと)の底をがさごそと探(さが)していて紙の撚(ひね)ったのを二つ取り出し...
新美南吉 「最後の胡弓弾き」
...先刻(さつき)は橋の袂で飼葉を喰つてゐる馬を見て溜息を吐いてゐたらう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お前の勝手だ」ガラッ八は橋の袂へ行きましたが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――僕は字引を金に替えた奴の残りを袂の底に探ってみた...
林芙美子 「魚の序文」
...袂から「朝日」を出して一本口に咥へた...
林芙美子 「濡れた葦」
...一匹ずつ、猫を袂で抱き、姉のさす一本の蛇の目傘に入った...
火野葦平 「花と龍」
...またの会合を約してさらばとばかり袂(たもと)を分(わか)ちぬ...
福田英子 「妾の半生涯」
...不図思い返したように恐る恐る袂から例の櫛をそっと出して...
松永延造 「職工と微笑」
...袂で片頬を隠すようにしていたが...
矢田津世子 「凍雲」
...わけがわからない」こう云いかけるまにお孝は袂(たもと)で顔を押えて...
山本周五郎 「寒橋」
...袂(たもと)の中から...
吉川英治 「三国志」
...師の法衣(ころも)の袂(たもと)をつかんで...
吉川英治 「親鸞」
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