...――殊に石を置いた板葺(いたぶ)き屋根や蚕臭(かいこくさ)い桑ボヤを思い出した...
芥川龍之介 「玄鶴山房」
...養蚕を片手間にやるとすれば...
芥川龍之介 「一塊の土」
...毎年蚕を当てるために参詣し...
石川欣一 「山を思う」
...薄暗い蚕棚(かいこだな)の側で...
伊藤左千夫 「紅黄録」
...洗う蚕籠には念も入らず...
伊藤左千夫 「春の潮」
...己の家にて夜中蚕児のうせたことがあったから...
井上円了 「おばけの正体」
...蚕が蛹(さなぎ)となる前にまず繭を造ってそのうちに隠れるごときはすなわち本能の働きであるが...
丘浅次郎 「脳髄の進化」
...絹(きぬ)を織(おる)には蚕(かひこ)の糸(いと)ゆゑ熱(やうねつ)を好(このみ)...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...森春濤(しゆんとう)は蚕豆(そらまめ)...
薄田泣菫 「茶話」
...農家は今頃よつぽど忙しい、麦刈り、麦扱ぎ、そして蚕だ、蚕に食はせるためには人間は食う隙がない、そして損だ!今日の行乞相は最初悪くして最後がよかつた、彼等が悪いので私も悪かつた、私が善いので彼等も善かつた、行乞中はいつも感応といふ事を考へさせられないことはない...
種田山頭火 「行乞記」
...細い煙筒(えんとつ)に白い薄い煙のあがる碓氷社(うすいしゃ)分工場(ぶんこうじょう)の養蚕所(ようさんじょ)や...
田山花袋 「田舎教師」
...麦の畑でない処には、蚕豆、さや豌豆、午蒡の樹になったものに、丸い棘のある実が生って居るのを、前に歩いて行った友に、人知れず採って打付けて遣ったり何かすると、友は振返って、それと知って、負けぬ気になって、暫く互に打付けこをするのも一興である...
田山花袋 「新茶のかおり」
...蚕(かいこ)の糸を吐(は)くようにそれからそれへと出てくるこの記念(かたみ)の画(え)を飽(あ)かず見つめていたが...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...蚕(かいこ)の御世話になったり...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...青い天蚕絨を張った腰掛けが...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...蚕(かいこ)の上簇(じょうぞく)や麦苅入(むぎかりい)れの支度(したく)に...
柳田国男 「山の人生」
...その真暗な蚕棚(かいこだな)式の寝床の間を...
夢野久作 「幽霊と推進機」
...竹童(ちくどう)と蚕婆(かいこばばあ)の問答(もんどう)をよそに土(ど)べっついの火にむかって煙草(たばこ)をくゆらしていた脚絆(きゃはん)わらじの男が...
吉川英治 「神州天馬侠」
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