...烟霧遠く東南に棚引て半天を蔽ひ暗憺として灰を雨下し...
石川成章 「櫻島噴火の概況」
...二人を蔽(おお)う被衣(かつぎ)のように...
泉鏡花 「薄紅梅」
...恐らく彼らは羞恥(しゅうち)に顔を蔽(おお)うであろう...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...盲点(もうてん)に巧みに隠蔽(いんぺい)せられることとなった...
海野十三 「柿色の紙風船」
...いや」湯上りの肌の匂いが俺の顔をむっと蔽(おお)った...
高見順 「いやな感じ」
...船から望んだときの三宅島はその火山島らしい円錐形(えんすいけい)の半ばの高さから下方は淡緑色に蔽(おお)われて...
田畑修一郎 「石ころ路」
...そのごつごつした外形を蔽ふ何かしら間の抜けた感じが彼女の印象を一種親しみ易いものにしてゐた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...清らかな雪のように白いシーツで蔽われている...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...道は暫く淺い溪の底を歩いて左右から蔽ひかかつた苅萱の間を迂囘しつゝ進んでゆく...
近松秋江 「箱根の山々」
...アフリカのコンゴー河口に近い海岸で一夜に降る露の量は地面を一分(ぶ)ほどの深さに蔽うに足るという...
寺田寅彦 「歳時記新註」
...炊烟(すいえん)東海の天を蔽う...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...原則上の欠陥を蔽うことは出来ない...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...反つて過を蔽ひ非を飾りて侯の訓戒を無視せむとするは又何の醜ぞ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...囲炉裡の炭火にはもう白い灰が蔽っている...
豊島与志雄 「湖水と彼等」
...きっと陰鬱な影に蔽われたに違いない...
豊島与志雄 「慾」
...同時に蘿月の姿は雑草の若芽に蔽(おお)われた川向うの土手の陰にかくれた...
永井荷風 「すみだ川」
...拙(せつ)を蔽(おお)ふ莫れ...
正岡子規 「俳諧大要」
...春さき銀色の柔(やわら)かな毛で蔽(おお)われた若芽をつけて...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
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