...氏は蒸し暑い七月(げつ)の真つ昼間にも...
薄田泣菫 「茶話」
...初夏の蒸し暑い夜を被(かぶ)れるだけ蒲団を被って...
橘外男 「逗子物語」
...風の無い蒸し暑い日で松の葉が真つ直ぐに立つてゐた...
田中貢太郎 「あかんぼの首」
...一つには妙に蒸し暑い...
谷崎潤一郎 「細雪」
...それでなくても天井裏は蒸し暑いのに押入の中の夏の夜の暑さは格別であったに違いないがこうすると絃(げん)の音の外へ洩れるのを防ぐことが出来...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...それは大そう蒸し暑い晩のことでしたが...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...・かさなつて山のたかさの空ふかく霧島に見とれてゐれば赤とんぼ朝の山のしづかにも霧のよそほひチヨツピリと駄菓子ならべて鳳仙花旅はさみしい新聞の匂ひかいでも山家明けてくる大粒の雨重荷おもかろ濃き影ひいて人も馬も朝焼け蜘蛛のいとなみのいそがしさ・泣きわめく児に銭を握らし蒸し暑い日の盗人つかまへられてしまつたこんなにたくさん子を生んではだか死にそこなつて虫を聴いてゐる九月廿一日曇...
種田山頭火 「行乞記」
...あるきわめて蒸し暑い日の夕方であった...
寺田寅彦 「神田を散歩して」
...渋柿)三 シンガポール四月八日朝から蒸し暑い...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...と言っているんですよ」今日はかなり蒸し暑い...
外村繁 「日を愛しむ」
...S氏が世田ヶ谷のごみごみした露地内の、狭苦しい、蒸し暑い家で、口をパクパク二つ三つ喘がせて息を引き取った時、隣家の垣根を飛び越えてきた大きな虎猫がミャンミャンとドラ声で鳴いて近寄ると、未亡人が「それ猫が来た!」と縁側に出て手を上げて追っ払い、室に駆け戻ると、生前S氏が使っていた仕事机から、錆びた安っぽいナイフを出して、死人の枕もとに置いたことが、ふーッと頭に泛き出したのだ...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...蒸し暑い大気の密度がゆるみ...
豊島与志雄 「土地」
...やはり蒸し暑い空気に抑(おさ)えられてだまっていると...
中里介山 「大菩薩峠」
...三十度以上の蒸し暑い狭い実験室で...
中谷宇吉郎 「寺田先生の追憶」
...恐ろしく蒸し暑い日で法要終了後帰源院で歌を作つたが...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...なぎさの菖蒲やつつじの花も黒ずんできた五月の蒸し暑い昼だった...
吉川英治 「私本太平記」
...蒸し暑いうえに暑くはあるが...
吉川英治 「新書太閤記」
...おそろしく蒸し暑い...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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