...たくましく荒くれた君の手に似合わない繊細な線が描かれ始めた...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...もうこんな家なんぞへ来るもんか」薊は手荒く抑(おさ)える人を押(お)し退(の)けて降りかける...
伊藤左千夫 「春の潮」
...夫婦の金遣い近来メッキリ荒くなりしところから...
井上円了 「おばけの正体」
...たとへば荒くれた漁師が病氣の乞食をいぢめてゐたのだつたら...
太宰治 「お伽草紙」
...マルタの妹のマリヤは、姉のマルタが骨組頑丈で牛のように大きく、気象も荒く、どたばた立ち働くのだけが取柄で、なんの見どころも無い百姓女でありますが、あれは違って骨も細く、皮膚は透きとおる程の青白さで、手足もふっくらして小さく、湖水のように深く澄んだ大きい眼が、いつも夢みるように、うっとり遠くを眺めていて、あの村では皆、不思議がっているほどの気高い娘でありました...
太宰治 「駈込み訴え」
...彼女から濡(ね)れた布を手荒く鼻につめてもらっても...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...荒くれた人夫を四五人連れて来て...
豊島与志雄 「太一の靴は世界一」
...波風がまた荒くなったのではありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...祖母も其は然う思わぬでもないから、内々(ないない)自分が無理だと思うだけに激する、言葉が荒くなる...
二葉亭四迷 「平凡」
...≫ひとたび扉口は手荒く閉ざされ...
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...最も荒くれたまゝ文学の道に励んだ...
牧野信一 「三田に来て」
...呼吸(いき)遣い荒く...
正岡容 「我が圓朝研究」
...さうして筆勢の上については文鳳の如く手荒く画きとばす方ではなく...
正岡子規 「病牀六尺」
...人心が荒くなり、うっかりするとどんな私刑にあわされるかわからない「この際」であった...
水上滝太郎 「遺産」
......
山之口貘 「鮪に鰯」
...一時気が荒くなったが...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...月代(さかやき)の伸びた荒くれ男どもは本職の渡世人らしく...
夢野久作 「名娼満月」
...女ばかりな寮の一廓を荒くれ男の賭場同様にしても...
吉川英治 「剣難女難」
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