...茫々たる大虚に浮んだ他の地球上のナポレオンは同じマレンゴオの戦に大敗を蒙(かうむ)つてゐるかも知れない...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...かしこに一団という風に人間が寄集まって茫然(ぼうぜん)として空を眺めている...
寺田寅彦 「震災日記より」
...その驚いて茫然としているのに呼びかけた...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「自転車嬢の危難」
...しかもその茫然自失のなかに一種の陶醉をさえ見いだしながら...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...墳墓の驚きに満ちたるその青ざめた脣(くちびる)の上と茫然(ぼうぜん)たる瞳のうちとに...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...大衆文芸はこの単調を破って茫大な読者層に迎えられつつある...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...茫乎(ぼんやり)として...
直木三十五 「南国太平記」
...一面茫漠たる、花崗岩砂のきらめく河原は、ゆるやかな中高の弧を描いて、末広がりに双翼をひろげる...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...茫然(ぼうぜん)と眺(なが)めていた小野さんの前へぴたりと坐った藤尾は「御母(おかあ)さん」と後(うしろ)を顧(かえり)みながら...
夏目漱石 「虞美人草」
...茫然(ぼんやり)庭を眺めていると...
夏目漱石 「それから」
...私を茫然とさせた...
原民喜 「廃墟から」
...艫舵(ろかじ)なき船の大海に乗出せしが如く茫洋(ぼうよう)として寄るべきなく唯(ただ)あきれにあきれて居たる迄なり云々(うんぬん)以下の一段に至りては...
福澤諭吉 「蘭学事始再版之序」
...そのために今日一日は茫然として暮さねばならぬ...
水野葉舟 「香油」
...茫然(ぼうぜん)としている時に右大将からそっと使いが来て手紙をもらった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...あまりの嬉しさにしばらく茫然としていた...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...男をふたたび茫然自失のあられもない世界に趁(お)い込んで行った...
室生犀星 「津の国人」
...女房はただ茫然(ぼうぜん)と目をみはっていて...
森鴎外 「最後の一句」
...ただあの茫洋(ぼうよう)たる青海原(あおうなばら)に突き進み...
柳田国男 「海上の道」
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