...大きい茅葺の家(うち)に村役場の表札が出てゐる...
石川啄木 「鳥影」
...兩側から傾き合つた茅葺勝の家並の數が...
石川啄木 「天鵞絨」
...柳亭種彦のその文章を、そっと包むように巻戻しながら、指を添え、表紙を開くと、薄、茅原、花野を照らす月ながら、さっと、むら雨に濡色の、二人が水の滴(た)りそうな、光氏(みつうじ)と、黄昏(たそがれ)と、玉なす桔梗(ききょう)、黒髪の女郎花(おみなえし)の、簾(みす)で抱合う、道行(みちゆき)姿の極彩色...
泉鏡花 「薄紅梅」
...横田が茅ヶ崎あたりにゴロゴロしていたのも...
大杉栄 「獄中消息」
...わずかしかない人家は皆茅葺(かやぶき)であったが...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「嬰寧」
...忠臣蔵にはこの近くのかいどうに猪(いのしし)や追(お)い剥(は)ぎが出たりするように書いてあるからむかしはもっとすさまじい所だったのであろうがいまでもみちの両側にならんでいる茅(かや)ぶき屋根の家居(いえい)のありさまは阪急沿線の西洋化した町や村を見馴(みな)れた眼にはひどく時代がかっているようにみえる...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...其処(そこ)に白く塵埃(ほこり)に塗(まみ)れた茅(かや)や薄(すゝき)が生えて居(ゐ)る...
田山花袋 「父の墓」
...その茅屋(ぼうおく)を結ぶにはみずから木挽・大工・石工・泥匠とならざるべからざるところのかのロビンソン・クルーソーを学ばざるべからざらしめたり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...いかにも田舎(いなか)らしい茅葺(かやぶき)の人家のまばらに立ちつづいている処もある...
永井荷風 「すみだ川」
...茅葺(かやぶき)の農家や...
永井荷風 「放水路」
...桂浜の茅屋を思ふ」八月十三日「朝夢に襲はれて泣く」「夏より端書来る...
中谷宇吉郎 「『団栗』のことなど」
...茅場町の薬師(やくし)から日枝神社(ひえじんじゃ)...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...茅栗を我がシバグリにあて...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...狐色に冬枯れた茅戸の山を背にして...
松濤明 「春の遠山入り」
...名は楚を伐ちて包茅を責むるは...
司馬遷 箭内亙訳註 「國譯史記列傳」
...自分は茅場町の裏店のひと間に...
山本周五郎 「其角と山賊と殿様」
...三州横須賀村の茅葺(かやぶき)屋根の下(もと)に一晩泊めてもらった事がある...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...茅葺(かやぶき)屋根の廂先(ひさしさき)から咲いている苔草(こけぐさ)の花...
吉川英治 「宮本武蔵」
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