...去れば政友會の諸君も衷心を欺かず賛同せよと喝破して降壇せんとするや政友會の院内總理元田肇氏は島田氏に質問ありと叫び君の辯舌が餘りに巧妙なる故趣意の存する所を知るに苦しむ...
石川啄木 「雲間寸觀」
...老衰に向ふしるしだ――に落ちて行くのを苦しむ聲がしてゐるのを聽いた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...苦しむ智栄尼の口中に割り込んだ...
江見水蔭 「備前天一坊」
...初めてこれを見る人はいずれが大脳であるか識別に苦しむくらいである...
丘浅次郎 「脳髄の進化」
...しだいに慣れて後には玉音の苦しむのも知らずにいるような事があった...
田中貢太郎 「法華僧の怪異」
...――大人(おとな)が苦しむ時には...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...自分のために彼が苦しむという考えに堪えられなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...自分独りが手持無沙汰で苦しむためだ...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...いずれにあったかを解するに苦しむことがある...
新渡戸稲造 「自警録」
...モオリーがいっそう苦しむと知ったら...
久生十蘭 「南部の鼻曲り」
...嘘のような平穏な航海で見張員が無聊に苦しむくらいだった...
久生十蘭 「ノア」
...狼狽(うろたえ)てまたお勢の事に立戻って悶え苦しむ...
二葉亭四迷 「浮雲」
...小説を書かうとして苦しむがために二重に制作を為し損つてゐた自分の姿を幻灯のやうに思ひ出すだけであつた...
牧野信一 「病状」
...そんななら寧ろどんなにでも動かされて苦しむ方がどれ程好いか分らない...
宮本百合子 「動かされないと云う事」
...唯かうして苦しむだけだ...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...肉と心との分離に苦しむような人間ではなかった...
吉川英治 「大岡越前」
...私の苦しむのは真に嘘をまじえない告白の困難である...
和辻哲郎 「生きること作ること」
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