...併し彼はこの矛盾を意識しながらも、猶強ひられたる自己肯定の、苦い、甘い、落付かない氣分の中に低徊することを禁じ得なかつたのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...「河野の父さんの方も、内々小児をだしに使って、東京へ遊びに行った事を知っているんですから、言句(もんく)は言わないまでも、苦い顔をして、髯(ひげ)の中から一睨(ひとにら)み睨むに違いはないんですもの、難有(ありがた)くないわ...
泉鏡花 「婦系図」
...苦い物體または甘い物體のうちにはこれと同じ味があり...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...すでに幾度も苦い汁(しる)を呑(の)ませられた庸三の警戒の目の下に...
徳田秋声 「仮装人物」
...代助はそこで又苦い茶を飲ませられて...
夏目漱石 「それから」
...三平次はなんとなく苦い心持でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「ひどく苦い――舌がピリピリするが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あの人はもと色街(いろまち)にゐた人だから」「――」喜三郎は苦い顏をしました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...惡く苦いところがある」杏齋先生は言ふだけのことを言ふと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...振り返ってお鳥に日本一の苦い顔を見せます...
野村胡堂 「裸身の女仙」
...合手(あいて)は苦い顔をしてだまってしまう...
長谷川時雨 「西川小りん」
...戯れに似せた苦い顔をした...
牧野信一 「秋晴れの日」
...と思ったので少々苦い顔をしてみせると...
矢田津世子 「父」
...秀之進は苦い顔をしてそっぽを向き...
山本周五郎 「新潮記」
...そんなにあったら三味線屋へ売っても大したもの」に主人公苦い顔...
山本笑月 「明治世相百話」
...関羽は、苦い顔して、「おいおい、兵隊のいうようなことをいうな...
吉川英治 「三国志」
...ふと苦い味を覚えて下へおく...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...――周章(あわて)て含んだ苦い酒が...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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