...その背景をなしてゐた老梅はもう枯れてしまつて花木が植ゑてある...
種田山頭火 「行乞記」
...小山邸は昔風の大きい空屋敷だつた(庄屋であつたさうな)、庭園が広くて万両がこゝにもそこにも赤い実をかゞやかせてゐた、老梅もよく、大南天もおもしろかつた、すべてに旧家らしい色彩と香気とが残つてゐた、ゆつくりお辨当を頂戴して句座を開いた、まことにのんびりした会合だつた、帰途はまた賑やかに田ノ窪駅まで歩いて、五時の汽車で市駅まで、そこから私は一人で歩いて戻つた、かなり草臥れた...
種田山頭火 「松山日記」
...障子の外に老梅の影が...
中里介山 「大菩薩峠」
...実は先日僕がある用事があって図書館へ行って帰りに門を出ようとしたら偶然老梅(ろうばい)君に出逢ったのさ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...老梅君と君とは反対の好例として新撰蒙求(しんせんもうぎゅう)に是非入れたいよ」と迷亭君例のごとく長たらしい註釈をつける...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...実を云うと僕と老梅とはそんなに差異はないからな...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...そこで老梅君食ったそうだ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...それから老梅君も僕同様失恋になって...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...誰だい」「立町老梅君(たちまちろうばいくん)さ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...中にはなかなか長い奴があって不足税を二度ばかりとられたよ」「それじゃ僕の所(とこ)へ来たのも老梅から来たんだ」「君の所へも来たかい...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...海鼠(なまこ)の事がかいてある」「老梅は海鼠が好きだったからね...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...これこそ大見識を有している偉人に相違ないと思い込んだ天道公平事(てんどうこうへいこと)実名(じつみょう)立町老梅(たちまちろうばい)は純然たる狂人であって...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...半農半商風の頑固(ぐわんこ)な建物で、其處から門は直ぐですが、振り返ると建物の後ろの方から、巨大な老梅の、花少なに淺黄色の春の空に蟠(わだか)まる姿が見えるのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...やっと小枝に艶(つや)と張りとを見せはじめた老梅の木の下に...
室生犀星 「姫たちばな」
...老梅数株...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...老梅のように痩せて尖(とが)っている...
吉川英治 「宮本武蔵」
...その老梅のものではなく...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...老梅などに見る樣に半ばは幹の朽ちてゐるものもあつた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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