...纔かに彼の知つた上流階級の青年には...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...纔かに自ら腹いせをしてゐたのである...
堺利彦訳 幸徳秋水訳 「共産黨宣言」
...伊勢大廟の尊き御嫡流の御方の御事は纔かに偲び奉るさへ...
太宰治 「右大臣実朝」
...纔かに膝頭に届いて居る短いお納戸(なんど)の裳裾(もすそ)の下は...
谷崎潤一郎 「少年」
...私は纔かに残つてゐる封建時代の石垣のところに来て...
田山録弥 「あさぢ沼」
...滑り込むやうにして纔かにその傍に行つた...
田山花袋 「道綱の母」
...さうして纔かに生活をして居つたので...
内藤湖南 「近代支那の文化生活」
...川はほんの纔か一すぢ青く見える...
原民喜 「透明な輪」
...纔かの目じるしで...
原民喜 「廃墟から」
...その底に錆びついた斑点が纔かに残されてゐる...
原民喜 「真夏日の散歩」
...その磨滅した石の上に指先きでもつて纔かにその婦人の名前と年齡とを認めるのである...
堀辰雄 「或外國の公園で」
...それも纔かにしか垣間見られないやうになつてくるのである...
堀辰雄 「一插話」
...母親の纔かな安堵があった...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...山は薄闇の裾をひいて仄明るい頂きに纔か雪のかつぎをつけていた...
矢田津世子 「茶粥の記」
...私は支那の肉体労働者が纔かに小麦粉製の饅頭を主食とし...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...彼等が眠るには纔かな空氣しかいらなかつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...斷えず取り殘されて――纔かにそれ等の波から脱れた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...纔かに彼の頸と弱つた頭とを擡げさせるだけに過ぎなかつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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