...ただ困るのは綻びの切れることだが...
大杉栄 「獄中消息」
...三分ほど綻びて居る...
大杉栄 「獄中消息」
...それとも長い煙管(きせる)で巻きつけられたがための綻びか...
田中貢太郎 「春心」
...春になれば鶯が啼いて花が綻び...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...・墓がならんでそこまで波がおしよせていざり火ちら/\して旅はやるせないやるせない夢のうちから鐘が鳴りだした朽ちてまいにち綻びる旅の法衣だ眼がさめたら小さくなつて寝ころんでゐた覗いてる豚の顔にも秋風・けふのべんたうも草のうへにて波の音しぐれて暗し食べてゐるおべんたうもしぐれて朝寒夜寒物みななつかししぐるゝやみんな濡れてゐるさんざしぐれの山越えてまた山ずゐぶん降つた...
種田山頭火 「行乞記」
...雲の縫ひ目もところどころ綻びそめ...
田山花袋 「道綱の母」
...あの通り綻びだらけじゃないか...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...既に数輪は綻び始めている...
外村繁 「落日の光景」
...芍薬の蕾漸く綻びむとす...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...夾竹桃の蕾は後から後からと綻びては散つて行く...
永井荷風 「蟲の聲」
...それは自分の家の娘に間違があつてはならぬといふのだから娘が湯上りの赤い顏をして綻びでも縫つて居ればそれで安心が出來るからである...
長塚節 「芋掘り」
...ましてこゝは藪蚊のおほきところなれば只いつまでも吊らせてありけるが幾夜さを蚊帳に別れてながき夜のほのかに愁し雨のふる夜は古蚊帳のひさしく吊りし綻びもなか/\いまは懷しみこそ三吸入室の窓のもとに...
長塚節 「長塚節歌集 下」
...着物の綻びを繕つてゐた祖母が通りかゝつた彼に訊ねた...
中原中也 「耕二のこと」
...早春らしく綻びて微笑(わら)っていた...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
......
三好達治 「間花集」
...膝のところの縫目が何時の間にか綻びて...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...此時に当つて綻びた衣(きぬ)の繕(つくろひ)...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...精神障壁が綻びていくにつれ...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
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