...しかも船中で失明するほどの苦難を経て日本に来た時の百八十幾人かの随伴者の中の思託(したく)という唐僧の作とされている...
高村光太郎 「本邦肖像彫刻技法の推移」
...今度はもう道を知っていますから、長崎からまっすぐ小浜(おばま)へ! そして一刻も早く二人に逢いたい一心に、気もそぞろにタクシーを急がせて、大野木村を経て、あの二年三カ月前に、三人で馬を並べて下った四里の道を、今度は逆に東水の尾へ登っていったのです...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...億万劫(ごう)を経ても世には出られないよ」はもう家へ還りたくなった...
田中貢太郎 「令狐生冥夢録」
...陸路琴平(ことひら)高松を経て岡山で一泊したその晩も暑かった...
寺田寅彦 「夏」
...アダム・スミス等を経てミルの祖先に当る処のこのデモクラット)は之に反して...
戸坂潤 「辞典」
...四天王寺の西門内外の念仏はこの聖(ひじり)が奏聞を経てはじめておいたものである...
中里介山 「法然行伝」
...どんな変遷を経て来たかは...
橋本進吉 「国語音韻の変遷」
...其人の手を経て持込むが好(い)いと教えて呉れたので...
二葉亭四迷 「平凡」
...実は一年半の時日を経ていた――彼らが辿ったあの踏み分け道であったろうか...
本庄陸男 「石狩川」
...経て来た町にないおおどかさが日向という国には満ちている...
宮本百合子 「九州の東海岸」
...時が経てば帰還後の生活の荒い波で...
宮本百合子 「結論をいそがないで」
...年を経て祈る心のたがひなばかがみの神をつらしとや見ん先刻からの気味悪さにおとどは慄(ふる)え声になっていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...長女千代が死してより後時を経て...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...時が経てばやがては崩れ朽ちてしまう」彼は口の中で...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...病院の出資勧誘のため南山城を経て丹波に入りしに...
與謝野禮嚴 「禮嚴法師歌集」
...年を経て同じおひとを...
吉川英治 「上杉謙信」
...左様か」信長は、左の脇息(きょうそく)を、膝のまえへ置き直して、「――して?」「駿河の大軍は、碧海郡(あおみごおり)の宇頭(うがしら)、今村を経て、夕刻早くも、沓掛(くつかけ)に押し迫って来る様子とござりますが」「そうか」信長は、いったきりであった...
吉川英治 「新書太閤記」
...東すれば余吾(よご)の湖(うみ)を経て...
吉川英治 「新書太閤記」
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