...穂の出初(でそ)めた粟畑がある...
石川啄木 「赤痢」
...疾駆われ見てありぬ四月の晨(あした)とある農家の厩口(うまやぐち)より曳出さるる三歳駒を馬のにほひは咽喉(のど)をくすぐり愛撫求むる繁き足蹈(あしぶみ)くうを打つ尾のみだれ美し若者は早鞍置かぬ背にそれよ玉揺(たまゆら)わが目の前を脾腹光りてつと駆去りぬ遠嘶(とほいなゝき)のふた声みこゑまだ伸びきらぬ穂麦の末にわれ見送りぬ四月の晨...
伊東静雄 「詩集夏花」
...穴穂王(あなほのみこ)方(がた)からどんなことをしむけるかもわからないとお怖(おそ)れになり...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...穴穂王(あなほのみこ)の手(て)にお渡(わた)されになった軽皇子(かるのおうじ)は...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...そうしてもいられないので急いで麦の穂をこきだした...
田中貢太郎 「蟹の怪」
...美穂子の家はそこから近かった...
田山花袋 「田舎教師」
...総々(ふさふさ)とした白い穂波(ほなみ)を漂(ただよ)わす...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...淡路流の槍は穂先が短い...
中里介山 「大菩薩峠」
...指示された通り穂高神社を標準として...
中里介山 「大菩薩峠」
...密植と親穂の重視と籾数の増加とによって...
中谷宇吉郎 「稲の一日」
...八穂 なにがあったと聞かれたって...
久生十蘭 「喪服」
...座賞の人に影を添えて孤燈一穂(すい)の光を奪い...
二葉亭四迷 「浮雲」
...一は穂積に持たせ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...と菜穂子は最初の日々...
堀辰雄 「菜穂子」
...午後の斜光を背後から受けてキラキラ光る薄の穂...
宮本百合子 「金色の秋の暮」
...ぜひぜひ赤穂へ下りとう存じます...
吉川英治 「日本名婦伝」
...また、太刀は切先(きっさき)と、柄の部分とが、はっきり分れていて、その一方しか活用できないが、棒は両端が切先ともなり、穂先ともなって、それを自由自在に使いわける権之助の練磨は、飴屋(あめや)が飴をのばすように、長くもし、短くもするのではないかと眼に怪しまれる程だった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...ぬかるなッ」もう、青砥(あおと)弥助も、湧井半太夫も、十一人すべてが躍りあがって、「赤穂の浪士、何ほどのことがあろう」長押(なげし)の槍へ、手をのばす者、日ごろ、稽古(けいこ)をしていた、半弓の弦(つる)を鳴らす者――...
吉川英治 「無宿人国記」
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