...一瞬間何処(どこ)かへ見えなくなつて...
芥川龍之介 「南京の基督」
...言葉のある瞬間よりも言葉のない瞬間におけるほうが比較にならぬくらい多くはなかったか...
伊丹万作 「演技指導論草案」
...俺も危うく扉口に抱きついた瞬間...
梅崎春生 「蜆」
...その瞬間だった...
海野十三 「ゴールデン・バット事件」
...そして次の瞬間には...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...弾丸が銃口を出て行く瞬間にこれに随伴する煙の渦環(うずわ)や音波の影の推移をゆるゆると見物することもできる...
寺田寅彦 「映画の世界像」
...一瞬わざとらしく歪(ゆが)められた...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...一瞬間前の狼狽(うろた)えた自分自身を思い浮べた...
豊島与志雄 「二つの途」
...一瞥の瞬間にまで...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...ガラス戸棚のなかにデコレイシヨンケーキが瞬いてゐる...
原民喜 「心願の国」
...そこで、君はその連中に心を奪われてしまい、ただ瞬間、亡霊、昔の思い出、ほんとうは過ぎ去ってしまったし、ますます過ぎ去っていくかつての生活、こういったものにすぎないものが君のほんとうの現在の生活なのだ、という錯覚(さっかく)に負けてしまったんだよ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...その瞬間に、橋の上をほんとうに限りない車の列が通り過ぎていった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「判決」
...若し彼女が私のを優(やさ)しく握り返したなら、その瞬間にも、私は僞りならぬ喜びを感じたことだらう...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...私たちが其処にぼんやりと立ったまま、気持ちよさそうにつめたい風に吹かれていると、丁度その瞬間、その真向うの小山のてっぺんから少し手前の松林にかけて、あたかもそれを待ち設けでもしていたかのように、一すじの虹(にじ)がほのかに見えだした...
堀辰雄 「楡の家」
...まばゆい光に照らされた姿を見た瞬間...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...その瞬間に笑ひの表情は消え失せて...
牧野信一 「鬼涙村」
...お気づかいなく、お放し下さい』どたどたっと、八方から雪崩(なだ)れを打って、自分ひとつに集って来る、大廊下の跫響(あしひび)きを耳にしながら、彼は、鉄砲洲にある妻の顔と、遙かな国許(くにもと)の空――赤穂一城に住む多くの家来や家族たちの悲しい表情とを、一瞬のまに、頭のすみで描いていた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...だが、その瞬間に、妾はそれが昨日妾が気を失ったときの肉体のポーズであることに気が付きました...
吉行エイスケ 「バルザックの寝巻姿」
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