...人は須(すべか)らく死を畏れざるの理を死を畏るゝの中に自得(じとく)すべし...
佐藤一齋・秋月種樹(古香) 山田濟齋訳 「南洲手抄言志録」
...喧嘩をするから畏れるといふのではなく...
石川啄木 「刑余の叔父」
...彼の如く完(まった)くかつ正しくて神を畏れ悪に遠ざかる人(ひと)世(よ)に非(あら)ざるなり」と言いかけたのである...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...そしてこの世においてはしばしば徳よりも悖徳に一層大きな報酬が供せられるのでありますから、もし神を畏れず、また來世を期待しないならば、利よりも正を好む者は少數であるでありませう...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...(彼は勇士を畏れしめ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...何人の反対をも畏れずして独り其の為さむとする所を為し...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...あなたは男を畏れるということを知りませぬ...
中里介山 「大菩薩峠」
...私は何時も教室の一番背後の隅の席で、ノートは拡げてはゐるものの、教授の声には上の空で主に窓の外ばかりを眺めてゐるといふ風であつたから、何の教授にも左うである通り教壇の人の姿などは直視することもなし、勿論質問の手を挙げて直接に言葉を交した験しなどは、普通よりも永かつた全学生時代を通じて絶無であつたが、片上先生の、遥か遠くに見える白哲の額、光る眼鏡、凝つと真正面を凝視しながら徐ろに喉の奥から流れ出る、珠玉をふくまれてゐるかのやうな音声に接すると、正しくこれは大学者の姿であるといふやうな漠然とした畏怖の念も涌き、多くの学生に、畏れられ、崇拝されるのは、先づその容貌風姿の実にもシリアスな趣きに端を発するのであらうと点頭かれた...
牧野信一 「文学とは何ぞや」
...梁の恵王常に趙を撃たんとしたが楚を畏れて手控えいた...
南方熊楠 「十二支考」
...衆(す)べて水火の二河に堕せんことを畏れざれ」という文句の解説をやって時局的な意味をつけていたが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...人は必ずしも山人を畏れてはいなかった...
柳田国男 「山の人生」
...いや畏れ多い次第です...
吉川英治 「三国志」
...執権どのへの畏れも忘れ...
吉川英治 「私本太平記」
...われらの眼底から消えまいと思う」「畏れながら...
吉川英治 「新書太閤記」
...こっちの人だよ」「立派だなあ」「いい馬だなあ」初めは畏れて遠くから囁(ささや)いていたが...
吉川英治 「新書太閤記」
...なお罪を償(つぐな)うに足りないほど畏れを感じるのであった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...まことに畏れ多けれど...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...まだ貴公たちもお若いぞ」「畏れいりました...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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