...田子ノ浦港からの往復乗船券があるか聞いてみて...
...その、山の根を畝(うね)り、岩に躍り、渚(なぎさ)に飜(かえ)って、沖を高く中空に動けるは、我ここに天地の間に充満(みちみち)たり、何物の怪しき影ぞ、円(まどか)なる太陽(ひ)の光を蔽(おお)うやとて、大紅玉の悩める面(おもて)を、拭(ぬぐ)い洗わんと、苛立ち、悶(もだ)え、憤れる状(さま)があったが、日の午に近き頃(ころおい)には、まさにその力尽き、骨萎(な)えて、また如何(いかん)ともするあたわざる風情して、この流動せる大偉人は、波を伏せ※(しぶ)きを収めて、なよなよと拡げた蒼き綿のようになって、興津、江尻、清水をかけて、三保の岬、田子の浦、久能の浜に、音をも立てず倒れたのである...
泉鏡花 「婦系図」
...「九月十日 土曜日近頃奥田子爵の家ではもぐりで旅館を開業したそうだ...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「魔性の女」
...『田子の浦ゆ打出でて見れば眞白にぞ富士の高根に雪は降りける』...
大町桂月 「近藤重藏の富士山」
...珍田子は久しぶりに豆腐を食つた...
薄田泣菫 「茶話」
...駿豆(すんず)鉄道の沿線に河田子爵(ししゃく)の別荘が売り物に出ている...
太宰治 「斜陽」
...太田道灌の血を伝えてる太田子爵の所有地なので...
豊島与志雄 「樹を愛する心」
...古田子之作を密告したのはあたしなんです...
久生十蘭 「金狼」
...はいってきたのは古田子之作だった...
久生十蘭 「金狼」
...伊豆組の三郎助、福松、田子村の丑蔵、音七、亀崎の半兵衛の五人は、益もない繰言のあげくは争論になり、海が荒れだすと、あわてて念仏をとなえ、凪ぎるとまたぞろ愚痴、「おゝおゝ、国元ではどんなに案じていることだろう...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...藤田子私用にて同行...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...* 『荘子』のなかの宋の元君と画者の話(「田子方篇」第六の説話)...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...(田子之古道...
柳田國男 「日本の伝説」
...田子大弥太にさずけた...
吉川英治 「私本太平記」
...田子六郎左の方だった...
吉川英治 「私本太平記」
...田子大弥太も干魚船の水夫(かこ)となって...
吉川英治 「私本太平記」
...現にいま老人と通つて來た阿良里(あらり)と田子との間に深く喰ひ込んだ入江などは眼の醒むる樣な濃い藍を湛へて低い山と山との間に靜かに横はつて見えて居る...
若山牧水 「樹木とその葉」
...おほかた田子の浦はこの邊に當ると聞いてゐたので道を左に折れ...
若山牧水 「樹木とその葉」
...其処の渚には静浦の浜に起り千本浜を経てとおく富士川の河口田子の浦に及ぶ松原あり...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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