...葉子は張りのあるその目を無邪気に(ほんとうにそれは罪を知らない十六七の乙女(おとめ)の目のように無邪気だった)大きく見開いて相手の視線をはにかみもせず迎えるばかりだった...
有島武郎 「或る女」
...酒に酔った時の父は非常におもしろく、無邪気になって、まるで年寄った子供のようであった...
有島武郎 「私の父と母」
...無邪気に笑いかけながら...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...無邪気に語っているのを聞いていると...
太宰治 「正直ノオト」
...無邪気に打ち明けてくれなかったのです...
太宰治 「新ハムレット」
...場面から云えば艶(えん)な所であるけれども、太夫の声も三味線のひびきも一向場内に徹(とお)らないので、ただその可愛い二人の男女の動くのばかりを見ていると、文五郎などが使うような写実的な感じではなく、人形たちも村の子供と一緒になって、無邪気に、あどけなく、遊んでいるかのようである...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...(ばった)の災害の場面について無邪気に話したりした...
徳田秋声 「縮図」
...そしていかにも無邪気にそれをつとめたので...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...」こう無邪気に言って...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
...無邪気に実弾を射つ先生である...
永井隆 「この子を残して」
...甘えて無邪気に眠つてゐるやうなふりをしてゐたのだ...
中戸川吉二 「イボタの虫」
...虚偽を無邪気に振舞う本能をさづかつてゐるらしかつた...
原民喜 「壊滅の序曲」
...跪(ひざまず)きながら無邪気に掌を合わせてお祈りをしていた...
堀辰雄 「木の十字架」
...だって無邪気に窮地から救ってくれたんだから...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...無邪気にうれしそうな声をたてる若君の目つき...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...すなわち最初普通名詞として無邪気に用いていたのが...
柳田國男 「地名の研究」
...而して予は最も無邪気にして最も信認すべき論敵を失し也...
山路愛山 「北村透谷君」
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