...しかし一人の海女(あま)だけは崖の下に焚いた芥火の前に笑つて眺めてゐるばかりだつた...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...そしてあたたかい焚火(たきび)が...
海野十三 「少年探偵長」
...粗柔(そだ)を焚(た)きながらいつまでも/\語り続けた...
相馬泰三 「新らしき祖先」
...まず竈の下を焚(た)きつけてお湯をわかし...
太宰治 「新釈諸国噺」
...そこで魏源の如きは書古微を作る時周書に關する微義は甫刑を以て終りとし、今文家の篇目から云へば其以後の文侯之命、秦誓をも除き、其以前の費誓をも除いて、而して其除いた諸篇の代りに逸周書の中から蔡公解、良夫解などを拔き出して之を甫刑の後に補つて、而して案良夫之詩、夫子既取入大雅矣、此篇斷無不見之理、且其忠告憂勤、々乎成康周召之遺、與無逸君相表裏、視蔡仲之命文侯之命、不可同年而語、不此之取而取彼何哉、即秦誓亦一時悔之敗、而三次報復、濟河焚舟、顯存王覇之分、且時代亦遠在西周之後、何爲殿彼不殿此耶、此皆不可解者、姑附諸穆王之後、以雪僞古文之憾(書古微十二)と言つてゐる...
内藤湖南 「尚書稽疑」
...奥さんのやっている接待婦ッていうのは普通の派出婦見たように御飯焚(ごはんたき)をしないでもいいんだわね...
永井荷風 「ひかげの花」
...炉(ろ)の焚火(たきび)だけが明りで...
中里介山 「大菩薩峠」
...定刻というのが、必ずしもきまった時刻という意味ではなく、まず退屈の者が二人ばかり炉辺へたかって、火を焚きながら、無雑作(むぞうさ)に話のきっかけを作ると、それが緒(いとぐち)となり、炉の火が燃えさかると同時に、話がはずみ、話がはずむにつれて人が集まり、おのずから全員出揃いとなって、そうして、相当に節度あり、進退のある閑談の蓆(むしろ)が開かれるのですから、人の集まる時がすなわち定刻で、それは晴雨によって、人々の仕事都合によって、おのずから変化します...
中里介山 「大菩薩峠」
...床柱(とこばしら)に懸(か)けたる払子(ほっす)の先には焚(た)き残る香(こう)の煙りが染(し)み込んで...
夏目漱石 「一夜」
...大海(たいかい)を日となく夜となく続けざまに石炭を焚(た)いて探(さ)がしてあるいても古往今来(こんらい)一匹も魚が上がっておらんところをもって推論すれば...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...赤々と燃える焚火の前に...
萩原朔太郎 「冬の情緒」
...本當の焚火だつた...
堀辰雄 「ランプの下で」
...太い呼吸を吐いて彼は消えかけた焚火をかき立てた...
本庄陸男 「石狩川」
...田野と兵田は並んで焚火の前の床几に腰を降した...
牧野信一 「酒盗人」
...わが国にも『折焚く柴の記』に...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...ましてやその方が持帰り候伽羅は早速(さっそく)焚(た)き試み候に...
森鴎外 「興津弥五右衛門の遺書(初稿)」
...「これはまえにいちど申上げましたな」老人は炉へ焚木(たきぎ)をくべた...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...(二月五日)サン・ゼルマン二月(ぐわつ)に成つたら一層寒くなる筈(はず)の巴里(パリイ)が今年は何(ど)うした調子外れか好い天気が続いて僕の部屋などは煖炉(シユミネ)を焚(た)かなくつてもいい様に成つた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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