...これは、その濁った、黄いろい光が、隅々に蜘蛛(くも)の巣をかけた天井裏に、揺れながら映ったので、すぐにそれと知れたのである...
芥川龍之介 「羅生門」
...重いもの濁ったものは水中に沈んでしかして地となった...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...濁ったようなその灯影が...
泉鏡花 「婦系図」
...濁った眼をぼんやりあけて...
太宰治 「ロマネスク」
...猪作が潜った処から二間ばかりの前(さき)の水の上が傘を拡げたようにぱっと赤濁った...
田中貢太郎 「蟹の怪」
...垢(あか)だらけに濁った薬湯(くすりゆ)のような連想を起させるのである...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...暗緑色に濁った濤(なみ)は砂浜を洗うて打ち上がった藻草をもみ砕こうとする...
寺田寅彦 「嵐」
...そして頭の中のあらゆる濁ったものを吹き払うような気がした...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...頬は魚の腹のように濁った白で...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「株式仲買人」
...どんよりと濁った目が新入りに向けられる...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「唇のねじれた男」
...濁った信用出来ないような変な命題にぶつからないことの方が理解を容易にするためにはもっと大切である...
戸坂潤 「読書法」
...真黒く濁った水の底深く沈んでしまいました...
夢野久作 「ルルとミミ」
...濁った白い頬をして眠入っていた...
直木三十五 「南国太平記」
...彼女等が濁った声で喋舌(しゃべ)り合っているのは絶えず聞えてきた...
堀辰雄 「三つの挿話」
...濁ったコーヒーをなみなみ注ぎ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...濁った川にじゃぶんととびこんだ...
本庄陸男 「石狩川」
...赤濁った目を吸われたのを...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...灰色に濁った夕(ゆうべ)の空気を透かして...
森鴎外 「雁」
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