...風なき空に漂うてゆく...
石川啄木 「鳥影」
...絹のような砂の上に漂っているのである...
泉鏡花 「浮舟」
...世慣れたこなしとともにうっそりと漂っているんだから...
谷譲次 「踊る地平線」
...はるかに漂(ただよ)ってくる楽(がく)の音(ね)だの...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...帆をたたんで漂っていた...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「グローリア・スコット号」
...此国には昔から一種熬々(いらいら)した不穏(ふおん)の気が漂(ただよ)うて居る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...「フランス捕鯨船で漂着するものあらば穩便の處置をたのむ」といふ文句もみえるから...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...幽閉の感じが漂っていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...神田川を出でて大川に合せんとするところの波に揉まれて漂うています...
中里介山 「大菩薩峠」
...夜の空気に漂わせるのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ラ・メデュウズ難破にたいする文献と記録は二つに大別され、難破前後の航海記事、漂流中の覚書、報告、公文書、警備隊の駐留日誌の類は「セネガル文庫」に、ロシュフォール軍港で行なわれた軍法会議と海事審判の公判記録、訊問調書の一切は「ロシュフォール記録集」にそれぞれ収輯され、難船から関係者の帰国までの顛末が微細な点にわたって洩れなく解析されているようにみえる...
久生十蘭 「海難記」
...何か漂流しているか...
牧逸馬 「沈黙の水平線」
...その原話とは別な真実感を漂わすなど...
正岡容 「我が圓朝研究」
...心には畫面の空から清淨なにほひが漂つて來るやうな感じだ...
正宗白鳥 「『アルプスの眞晝』(セガンチーニ作)」
...嘲(あざけ)るような微笑(ほほえみ)がフェリックスの唇の上に漂った...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...赤く入日(いりひ)を受けた雲の水に映るのを眺めて高く突き出た桟橋の上に立つて居た時は何だか漂泊者らしい感がした...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...闇に迷い漂う物みたいに...
吉川英治 「私本太平記」
...薄い靄の漂つてをる遠方に一つの丘が見ゆる...
若山牧水 「水郷めぐり」
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