...陸にはまた溢るる水ありて空気に光もなく陸には立ち止まるべきわずかの場所もなく水には泳ぐべき少しの流動さえなかりき...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...白赤の萩溢るゝがごときに...
寺田寅彦 「半日ある記」
...瓶に牛羊の甘き乳溢るゝ頃に...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...芳醇の溢るゝ盃(はい)を傾けて叫びし聲はいづこぞや?汝ら曰へり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...*アイギュプトスのテーベーの貢獻加へ贈るとも――巨萬の富の滿ち溢るテーベー百の門ありてその各を兵二百馬と車と共に過ぐ――これらをわれに贈るとも...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...屋根もなき荷車に溢るゝばかり積み込まれし行屍走肉...
内藤湖南 「寧樂」
...その住所は改まるとも勧化(かんげ)怠りなく遂に末法相応浄土念仏(まっぽうしょうおうじょうどねんぶつ)が四海のうちに溢るるに至った...
中里介山 「法然行伝」
...女盛りの豊満な美しさに溢るる石井夫人は...
野村胡堂 「悪魔の顔」
...獄門にかけた首に溢るる法悦佐吉に代っておさよ殺しの下手人として縛られたのは...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...溢るゝ感激の悦(よろこ)びを經驗して――そして私は睡(ねむり)に落ちた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...彼女に溢るゝばかりの感謝を覚へてゐた...
牧野信一 「階段」
...再び悟空の全身には溢るゝばかりに勇しい血潮が涌き上つた...
牧野信一 「闘戦勝仏」
...就中伎翁には本格の時代味感溢るる佳吟が少くない...
正岡容 「大正東京錦絵」
...頬嚢(きょうのう)に溢るるばかり詰め込んだ後多くの穂を脇に挟(はさ)む...
南方熊楠 「十二支考」
...彼等にとって私が女らしくないというのは何たる自然さでしょう! 何たる女の溢るる女らしさでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...乱れ、治まり、河溢るれど、我等は変へず気色だに...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...黄河の水ひとたび溢るれば...
吉川英治 「三国志」
...溢るるほどの食糧を人間に提供していようとは! ここに於て熱帯に人が住めぬという理論は完全に崩壊したのである...
和辻哲郎 「鎖国」
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