...――藤左衛門の話は、彼の心の満足に、かすかながら妙な曇りを落させた...
芥川龍之介 「或日の大石内蔵助」
...内心は君の放つた矢は確かに手答へのあつたことを満足に思つてくれ給へ...
芥川龍之介 「解嘲」
...七時すぎにやっと満足に南町へ行った...
芥川龍之介 「田端日記」
...その収用当時の地価としても満足に払ってくれないのですから...
伊藤野枝 「転機」
...私は殆(ほとん)ど他人には満足に口もきけないほどの弱い性格で...
太宰治 「わが半生を語る」
...電話も満足によう懸けんような女性にも亦自(おのずか)らなるよさがある...
谷崎潤一郎 「細雪」
...娘の頃にはパン一つ満足に貰えず...
チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「女房ども」
...生を欲する万人の社会を満足に維持しがたき時...
夏目漱石 「虞美人草」
...十日も満足に食わせてくれる男はいないものかと考える...
林芙美子 「新版 放浪記」
...自分は日本文字の手紙も満足には書けなかつた...
牧野信一 「茜蜻蛉」
...学校は種々這入つたが一も満足に終へなかつた...
村山槐多 「悪魔の舌」
...わたくしは満足に思っている...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...ことがこうもうまくいったのを満足に思うかね」とたずねたところ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...こういうのは出ても満足には成長せぬかも知れぬが...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...彼の全身は爽快(そうかい)な疲れと満足に溢(あふ)れていた...
山本周五郎 「雨あがる」
...大きな満足につつまれた顔だった...
吉川英治 「大谷刑部」
...親から満足にもろうた手脚を...
吉川英治 「宮本武蔵」
...古来有名な刀で満足に秘蔵されている物が余りに尠(すく)ないので悲しくなりましたよ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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