...左右は蘆が渺(びょう)として...
泉鏡花 「悪獣篇」
...ふりかえって見ると舞台は燈火の中に漂渺(ひょうびょう)として...
魯迅 井上紅梅訳 「村芝居」
...その老いて若い生命と漂渺たる想とをみづからの高い匂にこめて...
薄田泣菫 「独楽園」
...その欄干の前(さき)には月にぼかされた湖の水が漂渺(ひょうびょう)としていた...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...遥か向うの平野に雲煙縹渺(うんえんひょうびょう)たるところ...
中里介山 「大菩薩峠」
...即ち語の縹渺する特種の心像が...
萩原朔太郎 「青猫」
...何かの縹渺(ひょうびょう)たるあこがれを感じさせる...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...渺茫たる広野原の遠見...
林芙美子 「愛する人達」
...又縹渺として捕へ難い趣きもあり...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...」想ひ描けない空想に、己れの身を煙りに化へてまでも、何らかの形を拵へようとする彼の想ひは、徒らに渺として、瀲と連り、古き言葉に摸して云ふならば、恰も寂滅無為の地に迷ひ込む思ひに他ならなかつた...
牧野信一 「鏡地獄」
...彼は渺然としかも荘重に...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...初婚に新婦が痛哉と呼ぶは、萬里同風で、笑林廣記一に一秀士新娶、夜分就寢、問二於新婦一曰、吾欲二雲雨一、不レ知娘子尊意允否、新人曰、官人從二心所一レ欲、士曰、既蒙二府允一、請二娘子一展レ股開レ肱、學生無禮、又無禮矣、及レ擧レ及、新婦曰、痛哉痛哉、秀士曰、徐々而進レ之、渾身泰矣と、同書三に有二寡婦一嫁レ人而索二重聘一、媒曰、再※與二初婚一不同、誰肯レ出二此高價一、婦曰、我還是處子、未二曾破一レ身、媒曰、眼見三嫁過レ人做二孤孀一、那箇肯レ信、婦曰、我寔不二相瞞一、先夫陽具渺少、故外面半截、雖二則重婚一、裡邊其寔箇處子...
南方熊楠 「蓮の花開く音を聽く事」
...北方は玄海灘渺々然として飛帆鳥のごとく後島(うしろのしま)はみな盃のごとし...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...渺々(びょうびょう)際涯(さいがい)なき大陸を終日ながめていた...
吉川英治 「三国志」
...一方は渺々(びょうびょう)たる江水(こうすい)天(てん)に漲(みなぎ)り...
吉川英治 「三国志」
...見わたすかぎり渺茫(びょうぼう)とした曠野(こうや)の夕ぐれをトボトボと歩いていた...
吉川英治 「神州天馬侠」
...すべて雲の海の渺々(びょうびょう)であった...
吉川英治 「新書太閤記」
...山岳だの大川だの渺々(びょうびょう)とした田舎ばかり...
吉川英治 「新・水滸伝」
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