...山の渓間で菖蒲を描いてゐると...
薄田泣菫 「独楽園」
...渓間(たにま)の清水が潺湲(せんかん)と苔の上をしたゝるような不思議な響きは別世界の物の音のように私の耳に聞えて来る...
谷崎潤一郎 「少年」
...どんなにか美しいはずのこんもりした渓間(たにま)に...
寺田寅彦 「雑記(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...湯滝は白骨にもありますが、あれよりズット大きい――といって、渓間を導いて、兵馬を二つの滝が女夫(めおと)のように並んでいるところへ連れて来ました...
中里介山 「大菩薩峠」
...この時の歌にはまた 渓間なる人山女魚(やまめ)汲み行く方に天目山の靡く道かな などいふのもある...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...岩下或は渓間に一小屋(せうおく)を構臼を安(お)き長柄杵(ながえぎね)(大坂踏杵(ふみきね)也)を設け...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...牛の牢という渓間(たにま)にゆく...
森鴎外 「みちの記」
...この先の渓間(たにあい)を...
吉川英治 「親鸞」
...越え終つて渓間に出...
若山牧水 「木枯紀行」
...一切この渓間より根を断つべしと念じた...
若山牧水 「木枯紀行」
...渓間の林の間を歩いてゐた自分の幼い姿をすぐ思ひ浮べる...
若山牧水 「岬の端」
...右に云った宿はずれの崖の上から見下した渓間の流れに臨んで二軒の温泉宿がある...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...兎に角此処の渓間にはこの花が多い...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...聞くともなくそれの鳴く音に耳を澄ますのはまた渓間の温泉の一徳であろう...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...あちらの渓間こちらの山腹と...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...眼下の渓間と到るところにほのぼのとして暮れ残っている山桜の花が見渡された...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...何故ならば私の登っていた枝はその渓間の径の真上にさして出ていたからである...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...豈図(あにはか)らんや渓間(けいかん)の一丘上文珠(もんじゆ)菩薩の危坐(きざ)せるあり...
渡邊千吉郎 「利根水源探検紀行」
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