...二町許りも構内の木柵に添うて行くと...
石川啄木 「鳥影」
...道に添うて、先刻はただ一と目に広く大きいままに見た景色の中につつまれた、小さな一つ一つのみじめな景色が順々にむき出しにされて私達を迎える...
伊藤野枝 「転機」
...窓側へより添うて一人何かせっせと編物をしていた...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...東は町に添うて木津川が流れておりまして...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...誰ぞさっきからもう一人電話口に附き添うてるあんばいで...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...それでもピアノの大曲となればやはりコンツェルトのように管弦が添うのが常である...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...眼下に市ヶ谷見附一帯の濠を見下す崖上(がけうえ)のベンチに男と女の寄添う姿を見た...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...「左様(さよう)、全く罪なことでござるよ、あんなのはいっそ助けない方がようござるな、添うに添われず、生きるに生きられず、現世(このよ)で叶(かな)わぬ恋を未来で遂げようというのじゃ、それを一方を殺し一方を助けるなんぞ冥利(みょうり)に尽きたわけさ」眼鏡の隠居は慨歎する...
中里介山 「大菩薩峠」
...羨(うらやま)しがられて華麗(はなやか)に暮れては明ける実の娘の月日に添うて墓に入るのが順路である...
夏目漱石 「虞美人草」
...私と連れ添う男はないものかと思う...
林芙美子 「新版 放浪記」
...その議事これがために色を添うるに非ず...
福沢諭吉 「学問の独立」
...また全体が理屈めきたる歌あり(釈教(しゃっきょう)の歌の類)これらはかえって言いようにて多少の趣味を添うべけれど...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...土手の傾斜に添うて...
宮島資夫 「四谷、赤坂」
...涼しい垣根に添うた樹のかげに...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...私は御意見に添うわけにはまいりません」「どこが不承知ですか」「全部です...
山本周五郎 「雪の上の霜」
...知らぬがままに連れ添うなれば...
吉川英治 「私本太平記」
...こんな兄でも連れ添う良人(おっと)...
吉川英治 「新・水滸伝」
...下肢に添うて柔らかに垂れている絹布のひだなどには...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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