...団扇の名の深草ならず...
泉鏡花 「浮舟」
...行平どのは根が公卿育ちの芋の煮えたも御存じなきノホヽンだから今度は御自身毎日車に召して深草の百夜(もゝよ)通ひも物かはと中々な御熱心であつた...
内田魯庵 「犬物語」
...日ぞ忍び音に時雨れつる深草小野の柿の上枝(ほづえ)に熟(う)みのこる美(うま)し木醂(きざはし)...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...深草(ふかくさ)の元政上人(げんせいしょうにん)は男子の男子たる印(しるし)あったら邪魔になるのんで...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...深草(ふかくさ)という灯(あかり)を出した家の格子戸を明けると...
永井荷風 「ひかげの花」
...裸一貫で投り出されてしまひました」「それが深草の少將になつたといふわけだらう」平次は先を潜りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...深草の少将は楽じゃありませんぜ」「フーム」「中でも丹波彌八郎は大変で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...貧乏臭い深草の少将ですね...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...深草の実家で病気で死んだのだと信じこんでいたので...
久生十蘭 「無月物語」
...京の深草(ふかくさ)の雀のお宿などでは...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...渡るこなたは深草の」三味線の音はさびて低く...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...深草の辺に隠した...
吉川英治 「私本太平記」
...衣(ころも)打つ夜寒(よさむ)の袖やしぼるらむあかつき露の深草の里などと...
吉川英治 「私本太平記」
...ついに今暁、深草の辺で、日野朝臣の足どりをつかみ申した...
吉川英治 「私本太平記」
...もともと御正嫡(ごせいちゃく)たる後深草には...
吉川英治 「私本太平記」
...八幡(やわた)、山崎、竹田、宇治、勢多(せた)、深草、法勝寺などにわたる夜来(やらい)からの赤い空は、ただまっ黒なものとなり、小雨はやんで、東山のみねには、かつてこの世へ現わしたこともないような色をした不吉な太陽が、のっと顔を出していた...
吉川英治 「私本太平記」
...山城の紀伊郡(きいごおり)深草村(ふかくさむら)の山中である...
吉川英治 「新書太閤記」
...「深草の辺に、あやしげな女房が二人して住んでいるそうな」そういう報(し)らせに、「それ」と、すぐさま衛府(えふ)の侍を走らせてみると、それは、郷住(さとず)まいになったさる武家の姉妹(きょうだい)であった...
吉川英治 「親鸞」
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