...薄明(うすあか)りに浮んだ眼の涼しさは宵の明星(めうじやう)にも負けない位です...
芥川龍之介 「三つの指環」
...昼になってからの暑さを予想させるような涼しさが青葉の軽いにおいと共に部屋の中にみちあふれた...
有島武郎 「或る女」
...柳に雨の艶(つや)の涼しさ...
泉鏡花 「婦系図」
...涼しさうに舟遊びをして若い男女がきやアきやア喜んでゐる方をながめながら...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...船揺れて瓶花(へいか)傾く涼しさよ七月二十二日 日本探勝会...
高浜虚子 「五百五十句」
...青葉かげお地蔵さまと待つてゐる蟻の行列をかぞへたりして待つ身は暑いバスのほこりの風にふかれて昼顔の花・炎天下の兵隊としてまつすぐな舗道行軍の兵隊さんでちよつとさかなつり・釣りあげられて涼しくひかる・水底の太陽から釣りあげるひかり・ゆふなぎおちついてまた釣れた八月十九日晴、朝晩の涼しさよ、夜は冷える...
種田山頭火 「其中日記」
...涼しさの生じるためには...
寺田寅彦 「さまよえるユダヤ人の手記より」
...しかし「涼しさは暑さとつめたさとが適当なる時間的空間的週期をもって交代する時に生ずる感覚である」という自己流の定義が正しいと仮定すると...
寺田寅彦 「涼味数題」
...顔にふるる芭蕉(ばしょう)涼しや籐(とう)の寝椅子(ねいす)涼しさや蚊帳(かや)の中より和歌(わか)の浦(うら)水盤に雲呼ぶ石の影涼し夕立や蟹(かに)這(は)い上る簀(す)の子(こ)縁(えん)したたりは歯朶(しだ)に飛び散る清水(しみず)かな満潮や涼んでおれば月が出る日本固有の涼しさを十七字に結晶させたものである...
寺田寅彦 「涼味数題」
...どうも一般に涼しさが欠乏しているのではないかと思う...
寺田寅彦 「涼味数題」
...すると忽(たちま)ち河岸(かし)の方から颯(さっ)とばかり真正面(まとも)に吹きつけて来る川風の涼しさ...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
......
長塚節 「長塚節歌集 上」
...たった十八、色の浅黒さも、眼の涼しさも、野の花を剪(き)って来たような純な少女ですが、父親の無残な死骸を見ると、一も二もなく、砧右之助を敵(かたき)と思い込んだのでしょう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...涼しさうな水色の着物を着て...
林芙美子 「瀑布」
...唐館の中は夏でも膚寒いほどの涼しさだが...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...其度に秋の涼しさは膚に浸み込む様に思ふて何ともいへぬよい心持であつた...
正岡子規 「九月十四日の朝」
...現実にどういう点をさすのかね」肥っている大助は風の涼しさにも拘らず...
山本周五郎 「新潮記」
...日本の夏の朝らしいこのひと時の涼しさは...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
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